新プラットフォーム戦争に備えよ。Google GearsはMicrosoftの利益を直撃する @ TechCrunch Japanese
こういう記事を見ると、これからはWebエンジニアなどの漠然とした区切りではなく、特定プラットフォームに強い新しいエンジニア職というものが誕生することを強く感じます。
最近日本でも発売される事が発表されたiPhoneをプラットフォームとする「iPhoneSDK」、Googleが提供する携帯電話向けのプラットフォーム「Android」、海外で人気を誇るFacebookやMySpaceなどもそのプラットフォームを公開しており、世界中の開発者によって多くのアプリケーションが誕生しています。
一昔前であればプラットフォームといえば数えるほどしかありませんでした。
例えば、WindowsやLinuxなどOSを基盤とするプラットフォームや、さらにその上位のレイヤに位置するWebサーバーなどのミドルウェアを基盤とするプラットフォーム、また特定のベンダに依存した独自のソフトウェアを基盤とするプラットフォームなどです。
しかし、昨今のプラットフォームはさらに上位のレイヤにも広がりを見せています。
先ほども述べたようにFacebookやMySpaceなど特定のサービスを基盤とするプラットフォームがそれにあたります。
以前にPodcastで聞いた「ウェブを変える10の破壊的トレンド
」の中で(※)、著者の渡辺 弘美氏がBlogパーツなどを組み合わせて自由に環境を作り出す人も、これからは広義の意味でプログラマと呼ばれるようになる、と仰っていたの聞いてあぁなるほどという思いが強くなりました。
最近ではマッシュアップが流行を見せていますが、現状のプログラムのレイヤでサービスを結合させるのではなく、将来的にはもっと簡易的なマッシュアップというものができるようになり、このようなエンジニアはより広い居場所を見つけることができるかもしれません。
例えば複数のBlogパーツを組み合わせるだけで新たなBlogパーツを誕生させたり、違った用途に応用できるといったレベルです。
このプラットフォーム戦争はエンジニア(広義のエンジニアも含め)にとって歓迎すべき事かもしれません。
今のエンジニアを取り巻く環境は、歴然としたヒエラルキーの中にあり、その中では混合して扱われ、優劣が付かない漠然とした階層の中に取り込まれています。
つまりは、上級エンジニア、中級エンジニア、下級エンジニアのようなくくりで扱われ、そのレベル感はみんな同じといった具合です。
もちろんその階層を飛び越えることは個人の努力で可能です。
しかし、今のエンジニアのヒエラルキーは、上に行けば行くほどコア技術に迫る必要が出てきています。
それはそうかもしれません。プログラミングという技術を奥の奥まで窮めようとすれば、ハードウェアやOSの核となる最深部の技術までもを知る必要が出てきます。
しかし、それは全てのエンジニアが望んでいるわけではありません。
プラットフォームの多様化により、エンジニアの階層は依然として残る事にはなりますが、その階層の中で新たな階層構造が誕生する事になると感じます。
中の上のエンジニア、という単純なくくりでなく特定のプラットフォームをベースとした中級・上級のエンジニア、といった具合にです。
そんなに多くのプラットフォームが出てくると、返って何を技術の基盤としてやっていけば良いのか困ると考えるエンジニアもいるかもしれませんが、何れのプラットフォーム上であっても行き着く先はウェブである事は確かですから、後はそのインタフェースを作れる事、そしてそのプラットフォームを最大化できるアプリケーションを考えればよいのだと感じます。
少なくともそのプラットフォームが数年先まで生き残りえるものを選ぶ事は言うまでもありませんが。