あちら側に溜め込まれる無限のデータ | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

ある日の朝、隣の席を見てみると深刻そうな顔をした営業の人と、後輩の子がなにやら

PCがガチャガチャ触っていました。

何時ものサポート業務かと気にしないでいたら、物凄く不快な音が・・・。

その出所はそのPCのHDD。

そう、どうやらディスクが逝ったらしく、起動しないらしい・・・。


ノートPCなので中を分解しHDDを取り出し、外付け用の機器に取り付けても認識不能。

SCSIのケーブルにつなげセンカンダリとして起動しても、どうやら読み込めないらしい。

その後もあれやこれやと手を尽くすものの、HDDの内容を確認する事はできないようでした。

もうこうなると、情報システム部としてやるべき事はほぼありません。

幾ら社内のサポート業務全般を引き受ける部門とはいえ、物理的に壊れたHDDを正常に

戻すほど専門的な知識や機器があるわけではありません。

ここから取ってもらう方法は、諦めてもらうか外部の専門業者に復旧を依頼するかの

2つに1つです。

営業の方は、作った資料がこのHDDの中にあり、午後からその資料を使ったプレゼンが

あるからなんとか・・・と言っているができないもはできません・・・。

外部の業者に出すと、Byte単位で金を取られたりします。しかもかなり高額。

復旧できるとしても全てが保障されているわけではありませんので、目的のデータが

絶対に、完璧に復旧できるわけではありません。


この話の結末は私の方では聞いていないのですが(恐らく先方に誤りたおした上に、リスケという

感じでしょうが・・・)このように社員のPCデータはどのようにバックアップ を取っておくべきかと言う

問題点が残ります。

もちろん、ファイル共有用のサーバーなどは存在しますが、全ての社員のPCデータのバックアップを

ここに保存するのはかなり無理があります。


このAmebloのやmixiなどどんどん情報を溜め込まれていく事自体に、サービスとして価値がある

ものであれば、それに対する追加投資というのもしやすくなりますが、例えその資料が重要な

取引きに結びつくものであっても、それを保存するサーバーに対する追加投資というのはなかなか

してくれません。

その売り上げを上げている部門が、さらにその売り上げを引き伸ばすために追加投資を!と

訴えるのであれば説得力があるのかもしれませんが、この重要なデータを保存するサーバーを

管理するのがそうではなく、社内のIT投資を浪費する(かのように見られる)情報システム部門

あれば、そこに説得力を見つけることが難しくなります。


さらに昨今、個人情報保護やコンプライアンスなどで、こうしたデータの管理と言うのはかなり

うるさく言われるようになってきています。

ですので、部門で簡単に外付けのHDDなどの機器を購入してバックアップを取ると言う事も

難しくなってきています。


つまり、社員はがんじがらめでどうする事もできない状況でPCを利用しているわけです。

もちろん、重要な資料や同じ部門内で共有する必要があるものは、ファイル共有上に保存する事は

認めています。

ですが、メールデータなどはその限りではありませんし、資料の作成は一旦は自分のPC上で作業を

することになります。

こうしたデータは担保できずにPCが壊れたら、「運がなかったね」で片付けられたりするわけです。


どうすればよいのかに対する解は、やはり情報システム部門がそれに対する投資をきちんと訴えていく

事が重要になると思います。

もちろん無限大の資金を得る事はできませんので、運用面でカバーする事も重要になります。

現在のサーバーのキャパシティを管理し、そこにあるデータで不要なものが無いかのチェックを行い

ファイルの所有者に注意を促す。

このように適度な投資と利用者の協力というものが必要になってくるのだと思います。


(私は担当ではありませんが)この運用もかなり大変なようです。

フォルダ名から明らかに不要そうなデータを探り、その所有者に連絡し削除するべきものかどうかの

判断をしてもらったり。

こういうことを言うと必ず、嫌な顔をする人が何人かいたりするわけで、そういった人をさらに怒らせない

ようになだめて、整理をしてもらったり。

(実際、相手の言い分もわかりますし、無限大のキャパシティを確保できれば運用担当者もその業務から

解放されるわけなので・・・)


社員にとっては、「あちら側」の事として片付けられるIT資産もそれを運用する側にとっては

その裏側がある事を少しだけ認識して欲しいな・・・と感じています。



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