アイドリングが高くて下がらない時があるという平成17年式エブリ(DA64V、K6A)
同業者からの依頼だが、ISCVの不良を疑い単体点検を行ったが問題なかったという。
一般的に、アイドル回転が高くなる原因は主に3つ。
1つ目はエア吸い。(バキュームセンサーを使ったDジェトロ方式に限る。)
2つ目は水温センサーや電気負荷などのアイドルアップ用信号の誤信号。
3つ目は、アイドル回転制御機構の不良。(このエンジンはISCV付なのでISCV機構)
これらの切り分けは簡単で、まずはISCVのエアの通路をふさぐ。
これでアイドル回転があまり変化がなければ1が原因という事になる。
もし、目標回転以下まで下がれば2または3が原因である。
回転が下がった場合、データモニタで目標回転数、実回転数を点検する。
目標回転数が高く、実回転数も高ければ2が原因となる。
(誤信号によるアイドル回転を上げていることになる。)
目標回転数が正常で実回転数が高ければ3ということになる。
現車で、スロットルボデーのダクトを外し、ISCVにエアの吸い込み口を指で塞ぐとエンストした。
という事は、ISCVが開いていることでアイドル回転が高くなっていると考えられる。
次に、データモニタで目標回転数、実回転数、ISCVの開度を点検した。
目標回転数は750回転、実回転数は1250回転、ISCV開度は7%だった。
このことから、目標アイドル回転数は正常なのだが、実回転数が高いのでISCVを閉めようとしていることが分かる。
それでもアイドル回転数が高いという事は、実際にはISCVが閉じていないという事になる。
つまり、ISCVの不良である。
このことを依頼者に言うと、「ISCVが悪ければアイドルアップしないのではないか?」と言われた。
確かに、ISCVのコイルが断線したりショートした場合は、ISCVは一切動かない。
よって、アイドルアップもしないし逆にアイドリングが保てないこともある。
それが、この車は正常な時もありアイドルアップもする。
また、アイドル回転が高い時にISCVのエアの吸い込み口をふさいでエンストした後の再始動時には、かなり回転が上がりハンチングを起こすこともある。
その後ある回転までは下がるが、あるところから下がらなくなる。
つまり、上げる方には動いて回転は上がるが、ある個所からは下がらないようである。
これは、ISCVが電気的に壊れてるのではなく、引っかかりなどの機械的な動き不良ではないかと思われる。
過去にも記事にしたが、平成17年くらいからのMH系のワゴンRのISCVも機械的な不良が多かった。
それと同じようなものと思われる。
ISCVが不良なのは間違いないので新品のISCVに交換することにした。