ところで風邪を引いた後や熱を出した後に、どのくらい間隔をあければワクチンはできるでしょうか?
まずは熱のない軽い風邪・鼻風邪程度であれば、接種可能です(最終的には問診・診察のうえ判断します)。熱のある病気ではどうでしょう?
厚生労働省の「予防接種ガイドライン」を確認してみましょう。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bcg/guideline/1.html#6
2 疾病罹患後の間隔
麻しん,風しん,水痘及びおたふくかぜ等に罹患した場合には,全身状態の改善を待って接種する。標準的には,個体の免疫状態の回復を考え麻しんに関して
は治癒後4週間程度,その他(風しん,水痘及びおたふくかぜ等)の疾病については治癒後2~4週間程度の間隔をあけて接種する。その他のウイルス性疾患
(突発性発疹,手足口病,伝染性紅斑など)に関しては,治癒後1~2週間の間隔をあけて接種する。しかし,いずれの場合も一般状態を主治医が判断し,対象
疾病に対する予防接種のその時点での重要性を考慮し決定する。また,これらの疾患の患者と接触し,潜伏期間内にあることが明らかな場合には,患児の状況を
考慮して接種を決める。
このように書かれています。肺炎や普通の風邪に関しては明確な説明はありませんが、「その他のウイルス性疾患」と同じとみなしてよいでしょう。
まとめてみると
麻疹にかかった後は、治癒後4週間程度あける
風疹・水痘(みずぼうそう)・おたふくにかかった後は、治癒後2-4週間あける
その他では、治癒後1-2週間あける
ということでいいと思います。
ところで、なぜ、感染症を起こした後ワクチンの間隔をあける必要があるのでしょう?
「熱を出した後、ワクチンをすると副反応が出やすくなる」ということではありません。感染した後は免疫系の変化が起こり、ワクチン接種しても「つき」が悪くなる可能性があるからなのです。特に麻疹は罹患後免疫が低下することがあり、4週間程度間隔をあける必要があるとされています。
逆に言えば、突発性発疹になった後ワクチンを一ヶ月延ばす必然性はありません。
また、このガイドラインは絶対的なものではなく、予防接種の重要性(麻疹ワクチン・MRワクチンなど)も考慮して主治医の判断で期間を変更してもよいとう趣旨が書かれています。数字にとらわれないようにしましょう。