おたふく風邪のことを書くならば、MMRワクチンのことをも書かなければいけませんね。

 世界100カ国以上で行われているMMRワクチン (流行性耳下腺炎、麻疹、風疹)ですが、日本では無菌性髄膜炎の問題があり行われなくなりました。しかしながら、一部の国ではより安全なワクチン株に替えて、ある国ではそのままのワクチン株で、接種が行われています。
 日本では数年前に、ようやくMRワクチン (麻疹、風疹)が認可されました。日本は遅れているといわざるおえません。

 1998年にイギリスでMMRワクチンと自閉症との関連を示唆する論文があり、話題になりました。結局のところ、その論文自体撤回され、ワクチンと自閉症の関連はほぼ否定されています。
http://en.wikipedia.org/wiki/MMR_vaccine_controversy (英語の得意な人向け)
http://beta.bloglines.com/b/preview?siteid=4745590 (日本語。「英国、麻疹、本末転倒」。しかし、下記のサンデータイムズの記事が出る前。サンデータイムズ記事後なら、変わっていたか?)

 この問題は、今年(2009年)になっても尾を引いています。サンデータイムズが1998年の論文は、著者自身がデータを操作したと報じているのです。
http://transact.seesaa.net/article/113887944.html

一部を抜粋します。
これで、ワクチン否定論コミュニティは大騒ぎになるかもしれないが、2つ確実に言えることがある。ひとつめは、結局のところ、ワクチン否定論者たちは、ワクチンは自閉症のような健康問題を引き起こすのだという信仰に固執するだろう。それは事実や証拠ではない、かつてそうだったこともない。それは信仰であり、他の信仰と同じく証拠は通用しない。うそだと思うなら、先日、増加する英国の麻疹について書いたエントリのコメントを読んでほしい。エントリのコメンタのひとりは、べらぼうなことを書きまくって、私や小児科医がコメントに書いた証拠を無視した。
 これを読んで、なんともやりきれない、悲しい思いになりました。少なくとも、ムンプス難聴になった人、麻しんワクチンを保護者が忌避したことで亡くなった人、そしてなにより、自閉症の人たちにとっても、1998年の論文はまったく有益なものではありませんでした。