1) IT(情報技術)の進化、IT利用の増加≪※補足・用語の説明≫
これらの法則は、ITガバナンス
が提唱される以前から、未来のIT進化を予測するための法則として提唱されているものです。
●ムーアの法則
世界最大の半導体メーカー、インテル(Intel)社の創設者の一人であるゴードン・ムーア(Gordon Moore)博士が、1965年にElectronics Magazine 誌1965年4月19日号にて提唱した法則。
『半導体素子に集積されるトランジスタの数(集積密度)は、18~24ヶ月で倍増する』という、経験則による半導体技術の進歩に関する予測。つまり、マイクロプロセッサの能力が10年で100倍になるというもの。
この法則は科学的根拠のある技術的法則ではないが、半導体業界は、この法則を自己実現的予言とするために、目標指数として利用。業界の発展を促す原動力としてきた。
CPUの速度が10年で100倍になると予測する法則であるた、近年は、CPUの速度向上が10年で10倍ペースに成長が遅れている。
●ギルダーの法則
アメリカの経済学者ジョージ・ギルダー(George Gilder)が2000年に自著「テレコズム」にて提唱した法則。
これは、通信網に関する法則で、『通信網の帯域幅は、6ヶ月で2倍になる』というもの。つまり、ネットワークの通信速度が半年で2倍になると予測している。
この法則によると、10年で100万倍のペースとなるが、実際は10年で1000倍くらいであり、それは、1年で2倍のペースに当たる。
●メトカーフの法則
イーサネット(Ethernet)技術を開発したロバート・メトカーフ(Robert Metcalfe)氏が1995年に提唱した法則。
これは、通信網に関する法則で、『通信網(ネットワーク)の価値は利用者数の二乗に比例する。また、通信網の価格は利用者数に比例する。』というもの。インターネットによる商機は幾何級数的に増大すると予測している。
例えば通信網(ネットワーク)に対し現在の3倍の費用をかけると(利用者を3倍にすると)、その通信網の価値は9倍になるという考え方である。
ITガバナンス が提唱される現代においては、これらの法則には少しずつ矛盾が生じてきているようですが、IT利用に関する基本的な概念として覚えておくと良いでしょう。