今日は、ハラミの肉捌きについてお伝えしていきます。

 

詳しくはこちら↓

 

 

 

 

 

現在修行中
 

お肉のカットの技術をわたくし今修行中です。


三重県の松阪市にある、焼肉一升びんの本店で、お肉のカットの修行を約一年ぐらいしております。

 


 

ちょうど一年ぐらい経ったので、カットの技術の解説してもいいかなと思い、今回のブログに至りました。

 

 

 

輸入ハラミのプライム


ということで今回お伝えするハラミは、こちらアメリカ産の外国産ハラミです。

 

 

こちらの商品は、一般的には、なかなか購入する事は出来ません。

 

ただ、アメリカ産のハラミはコストコさんでも購入できます。

 

しかしこちらのハラミとはグレードが違い、コストコさんで店頭に置かれているのは、グレードがチョイスというハラミです。


チョイスはアメリカ産のブランドで言うと、上から二番目です。

 

そのチョイスの上の最もグレードが高いのがプライムで画像のものです。


例えるなら日本で言う和牛のA5のようなモノです。

 


 

これ形がボコボコしてるんですね。


 

 

 

良いハラミの条件

ハリがあって、身が締まっていてサシか多い。

 

 

また、肉厚で、ドリップが少なく、脂が白いモノがいいハラミの条件と言えるでしょう。

 

 

袋を空けずにパックのまま、美味しいハラミを見分けることが出来るようになれば、素晴らしいです。


では、早速パックを開けていきます。

 


袋からあげますねこんな感じです。

 

 

一袋に二本入ってます(これで一頭分)。


厚みのある部分もあれば、薄い部分もあり、断面がボコボコボコボコしてます。

 


 

すごい複雑な形状をしてます。

 


なので、和牛のハラミよりもさばくのが難しく、難易度高めです。


上からピンク色で覆われているものが皮です。

 

 

 

カットのコツ


こちらのハラミなんですが、素早くカットしないとお肉がテロンテロンになってしまったり、気温でお肉がゆる~くなってドリップや肉汁溢れて出て、溶けだしたりでカットしにくくなったりしやすくなりますので、迅速にねやらないといけない商品です。

 


まだ冬場はいいですが、特に夏は非常に気を配るところですね

 


 

早く正確にカットしていくっていう技術が必要です。


まず皮をむいていきます。

 

まずは一番剥きやすいポイントがあるので、そこに親指を入れて剥いていきます。



剥きやすいポイントとは、肉厚で脂身の多いところにあります。

 

次にムカつく上司の胸ぐらをつかむように(笑)、ミカンの皮をもぐように皮を剥いていきます。



剥く際ののコツは、赤身の部分をぐっと力を入れたり、触れたりしないようにすることです。



触る場所は極力脂身の部分にしましょう。


身を押さえつけてしまうと、お肉の繊維が崩れて、ドリップが出やすくなってしまうからです。

 

お肉の目に沿って皮を剥がしていきます。




力ずくで身を引きちぎらないように、優しく剥いていきます。

 

表が剥けたら、今度は裏側の皮を剥いていきます。

 

さっと剥がれやすいところは、サッと引っ張って剥がします。

 

 

途中スジのきついところがあれば、無理に引っ張らずに包丁を入れます。

 

 

最終的には剥き終わった皮に、身がついていなければベストです。

 

 

ただ剥くだけではなく、このように歩留まりにも気をつけます。

 

折りたたむときは、身の薄い方を折り曲げます。

 

 

ではカットしていきます。



カットのコツ

 

ハラミをカットする前に包丁がきちんと溶けているかは超重要です。

 

 

我々の世界では溶けていない包丁でお肉をカットすることは論外とされています。

 

そういった心がけや姿勢考え方が、仕事をする上での大切な部分です。

 

そして何よりもせっかくのお肉を、とにかく大事に思う気持ちも大切です。

 

まず周りについている余分な脂をカットします。

 

 

次に、端っこのほうが身割れしていたら、そこを先にカットしてしまいます。

 


 

そして厚みのある方からカットしていきます。

 

 

この部分にプラスチックのようなきついスジがついていることがあるので、ついていたら必ず取り除きます。

 

 

まな板や包丁もすぐに、脂などで汚れやすいので、常にタオルで拭いて清潔感を保ちます。

 

 

次にさく取りをしていきます。

 

 

大体指三本分の幅で柵を取っていきます。

 

このあたりはお店によって、人の好みによって厚さや幅は変わってくるので、こうです!とはここでは言い切れませんが、ざっくり指三本分と覚えておくと良いと思います。

 

ただ厚みのある部分は柵を小さめに取ります。

 

さく取りが終わったら、まずはスジを取っていきます。

 

 

スジは基本両端、ときには四方全部についているものもありますので、とりのぞきます。

 

 

1枚1枚適切にカットしていきます。

 

 

私は15gぐらいでカットしてます。

 

 

カットは、力み無くリラックスして行います。

 

 

リズムも大事です。

 

 

で、カットながら、今カットしたハラミが何点なのか?を自己採点していきます。

 

 

例えば、こんな感じです↓

 

 

こちらは30点のハラミです。

 

 

見ておわかりでしょうか?

 

身がボコボコしていて、ツヤがないのが。。

 

これには理由があって、力が入っていたり、ちゃんと包丁で切れていないとこんな感じになってしまいます。

 

 

つづいてこちらが60点のハラミ

 

 

面がボコボコしてます。

 

で、こちらが100点のハラミ!

 

 

比べてみてください!

 

断面が非常にきれいで、ピシッとしていて、ツヤが出て、カドが経っています。

 

ちゃんと包丁の刃を使って切れている証拠です。

 

 

お肉側からすると「え?いつ切られたの?」って思うくらいがちょうど良いです。

 

ゴシゴシお肉を力ずくでカットするとお肉も「痛い痛い!!!」ってなってなります。

 

そうなると、ドリップが出やすくなったり、せっかくの旨みが逃げやすくなったりします。

 

きちんとカット出来たかどうか?も特にツヤが物語ります。

 

 

本当に大事なポイントです。

 

下手な人がカットすると、断面がボコボコしていてツヤがないんです。

 

 

それらの点に注意しながらカットしていくと、お肉の保存期間の寿命も長くなるんです!

 

 

これ本当なんですが、下手な人が切ったお肉は劣化しやすいのですが、上手な職人さんが切ると日持ちするんです。

 

あと注意点なのですが、三角形のハラミを作らないことです。




三角形のハラミだと、お客さんからするとお肉が焼きにくいんです。



ということでカットされたお肉、2本分でこの量です↓



グラムもきちんと適切なサイズでカットします。

これを一個一個グラムを合わせられるようにしていくのも、プロの技なんですね。


形、大きさ、厚みが上下左右均等かどうかとか、を確認します。


カットの達人になってくると、手で持っただけで何グラム何グラムっていうのが分かるようになってくるんです。

 


お肉も細かいところまで見ると、カットする人によって焼きやすかったり、焼きにくかったりするんで、ぜひこれから焼肉屋さんへ行ったときの参考にしてみてください。

 

「あれ?これ上手に切れてないな~」とか「ここの焼き肉屋さんの職人さんはカットがとっても上手だな」とか分かるようになってきます。

 

でカットしたハラミを盛り付けるとこんな感じになります。

 



やっぱりちゃんとカット出来る焼き肉屋さんのほうが美味しいです。

ぜひ参考にしてみてください。



 


練習法

 

そんなハラミを捌く練習法もあります。

 

ハラミだけではなく、他のお肉を切るときの参考にもなります。

 

職場でも流行ってない焼肉屋さんだと、切る量も限られますし、やっぱり練習ってものがねなかなかできないですし、しかもカットの技術ってスポーツと一緒で毎日やってないと身につきにくいし、感覚って日々ずれてくるもんですし。。


そういったときに役立つ練習法です。


ちょっと代表的なものを二つお伝えします。
 

まず、メラミンスポンジを用意してください。

 

 

このメラミンスポンジを、このようにハラミ一枚の理想の形に包丁でカットします。

 


 

お店さんによって、グラム数とか形とか大きさとか違うと思うので、そのお店サイズの大きさにカットします。


そしてこれをポケットとかに入れてずっと持ち歩くんですね。

 


で、暇があったらポケットの中のハラミを触るんです。

 

そうすると「あ、ハラミってこれぐらいの大きさやったな」。とか「うちのお店のハラミってこんな形が理想やよな」っていう
風なことがわかってきますので、これをね一個ポケットに常に持ち歩くといいです。

 

私もたまに今でも持ち歩くときがあります。


あとはまな板の上の方に、メラミンスポンジをちょこんと置いておいて、その大きさを見ながらカットしていくっていうやり方も有効的です。

 

 

このメラミンスポンジを見本にしながらカットしていくと、大きさがブレてきたときの修正が出来ます。

 


次にこの小麦粉粘土こちらもいいです。

 


 

最近は子供さんが口にしてしまっても大丈夫なように、小麦粉を使った粘土っていうのがあるんですね↓

 

 


 

小麦粘土、これをハラミに見立てて、さくどりをしたようなブロックの形にします。

 

 

それを包丁でハラミを切るようにカットしていくんですね。

 

 

ただ、ねんおのくずが飛び散るので、まな板の下や床に新聞紙やラップを敷いて練習してください。

 

嫁さんに怒られたりしますから(笑)

 


 

結構やってもらったら分かると思うんですけど、最初は、ちゃんと切れないんですよね。


でも練習に練習を重ねていきますと、あ!こんな感じで切るとちゃんとカットできるんだなっていうのが分かってきます。

 

これも感覚が養われるので時間のある方は、やってみてください。

 


包丁もね刃渡りが長ければ長いほど、根本から先を使うっていうのがなかなか難しくなってきますので、それもこの粘土で長い包丁を使って練習するといいです。


是非お試しください。

 

 


ということで、本日も最後までご覧頂きましてありがとうございました。