「やっぱイイですねぇ!もう押尾さんも誰も彼も甲斐さんもみんなイイわ!これ」と古舘さん
甲斐さんは「だから、この番組のね、このプログラムのためにちゃんと
こう…しつらえて来ました!っていう感じで…(笑)」
…と、おっしゃってましたが(笑)「収録現場レポート」にあった通り
「現在の甲斐バンドの活動形態そのもの」である2組の編成…
フルバンドとビルボードセット…を用意なさって
「『甲斐バンドの今』を伝えようと考えて」いらしたんでしょうね?
ともあれ…「押尾コータローの魅力」というクレジットが出て
「押尾くんねぇ、ナンかちょっと終わったあとに、2人で酒飲んでたりすると
ナンか、泣いてくれるんですよね、感動して…
どうして…どうして涙…泣いてる?って…(笑)
ナンか、ああいうのイイな、ホント、申し訳ないんだけど…
ナンかこう…すごい…音楽のことじゃなくて、表現として
あの…熱中して話せる相手ってイイですよね
僕、最後は…表現の…表現って、最後はもう人間性だと思ってるんで
そこがやっぱり、スゴイとかイイとかっていうことは、長く保ちますよね」と甲斐さん
長いキャリアの中で、著名人の方から「ファンです!」と言われることは数多おありでも
「本当の本物」…いわゆるガチのファンかどうかは、また別の話…と思っておられたそうですが
押尾さんに関しては、まごうことなき「ガチ中のガチ(笑)」と得心が行かれたみたいで
…って「MEETS」のオファーに対し「甲斐さんの気が変わらない内にOKした(笑)」とか
「たとえ気が変わって、この話がなくなったとしても、声をかけて貰えただけで幸せ」とか(笑)
ライブ中にステージ袖で出番待ちをなさってる時に
「観客の皆さんと一緒に拳を突き上げながら歌ってました(笑)」とおっしゃったり(笑)
ツアーが折り返した辺りから「あと残り◯本…寂しい…」とツイートされ
ツアー最終日には、開演前から涙ぐまれ、ラスト曲が終わった途端に
ポロポロと涙腺が決壊なさってしまうような方が
「社交辞令ファン」の訳がないですよねぇ?(笑)
それはともかく…古舘さんが「甲斐さんの詞で言うと
こう…引っかかるもの、いっぱいありますよ」と、おっしゃったトコで
「甲斐よしひろが紡ぐ歌詞」というクレジットが出て
甲斐さんが「歌詞としては、ナンかあんま、みんなが書かないようなね
当然もう毎回、衝撃的なのをこう…毎回狙うんですよ
それで毎回毎回、上手く行く訳じゃないんですけど…
僕、あの…メロディ、最後まで書かないんですよ
最初の4小節か8小節書いたら、詞をバーッと、それ(に)当てて
詞が先に追い越して行ったりするんですよ
だから、同時になって行ったりっていうのは、そういうことですね
(『うわあ!詞が追い越すって、どういう感覚なんすか?』と古舘さん)
もう筆が止まらない…ちょっと自動書記風になる…
(『で、曲半ばなんですね?まだ?』)
詞が行っちゃったんで、メロディがこう…追いついて行く、みたいな…
(『曲が、ちょっと待って!待って!と追いすがって行く訳だ』)
そう!そう!(笑)それが、一番良い時ですよね」
…と曲先なのか?詞先なのか?渾然一体となった(笑)曲作りについて語られると
古舘さんは「うわあ!じゃ、例えばですよ、例えばクリスマスシーズンの歌とか…
クリスマスソングかなと思うんだけど『かりそめのスウィング』あるじゃないですか
これね、詞がまたスゴイんで、ちょっといいですか?用意したんですけどね」
…と、お背中とお掛けになっているソファーの背もたれとの間に置かれていたメモを取り出され
「私、これを改めて見た時に、甲斐さん…
叙情的な甲斐よしひろの詞じゃなくて、実況描写に見えたんですよ!これ、出来るんですよ
『ジングルベルに街が浮き足立った夜であります
人の声と車の音が飛び交う中、ニュースは不況を謳い、街には人が溢れています』
…って、描写になってるんですよ!」と「報道ステーション」風にナレーション(笑)
甲斐さんは「イヤ、それ、全くそうなんですよ
(『そういうことでいいんすか?』と古舘さん)
そうです。僕、そういう描写から入りたかったんですよ
そいで、そのあとに心情的なのがパッと…
だから、あの…カットが変わって来て、みたいな…」と返されてましたが
「ブルー・レター」の歌詞をお書きになる際には
よりハードボイルド小説風な情景描写に力を入れていらしたんですよね?
古舘さんが「『そしてあいつは舞い戻って来た』…イヤ、これは印象に残る!
これ、だって、この冒頭部分から始まるのは、村上龍さんの短編小説かと…?」と振られると
「村上龍も短編で、あの引用してくれたりとか…まあ、ありましたね」と甲斐さん
「かりそめのスウィングの歌詞」というキャプションの下
「やっぱり、あの…映像的なんですよね、そういう…その情景描写が入る方が…
(『もう、あの街の雑踏が聞こえて来る…?』)
そうです、僕、そういうのが書きたくて…22(歳)の時に書いたんですけど…
だから、ナンかすごい…そういうナンかこう…
ナンての?自分の中で、ちゃんと自分をこう…
ナンて言うんですか?斬り込んで行くっていうか…
その新たな自分を作って行かないとダメだなっていうのは、いつもありましたけどね」と明かされたトコで
古舘さんが「この『かりそめのスウィング』…(をコラボなさる)
チャラン・ポ・ランタンって、ものすごく親しいんですか?」と質問
甲斐さんは「ハイ…イヤ!えっと…そうじゃないです、今回初めて…
僕、ずっとでも、何年も前からすごい興味があって、すごい好きだったんです」とお答えになり
古舘さんが「やっぱ、目のつけどころが…」とおっしゃった辺りで
「チャラン・ポ・ランタンとのコラボ」というクレジットが出て
「イヤ、あのユニット最高だなって、ずっと思ってたんで…」と話されてましたが
ビルボードシリーズの2代目フィドラーでいらしたベチコさんのことを
「チャラン・ポ・ランタンと共演したりして
演劇的な要素を含んだ音楽もやって来ているプレイヤーです」と紹介なさってましたよね?
古舘さんが「スゴイですよね、面白いですよね
じゃあ、それで(一緒に)やろうって声かけて…初めてのことなんだ?
チャラン・ポ・ランタンのどういったところが面白いっていう風に…?」とお訊ねになり
「イヤやっぱり、僕と一緒で、ある種ちょっと頽廃的な匂いもあって…
デカダンスがあるんですよ、僕もそれあるんで…
その中で一番繋げられるのは?…って思った時に
『かりそめ』だったら、絶対できる!って思ったんですよ」と返されたトコで
チャラン・ポ・ランタンのお二人との「かりそめのスウィング」へ…
押尾コータローさんとのコラボに続き、甲斐バンドのメンバーお二人に
鈴木健太さんと木村将之さんというビルボードツアー編成に
今度は、ドラムの上原ユカリ裕さんが加わられ
甲斐さんは、アコーディオンの小春さん、ボーカルのももさんという両手に花状態(笑)
ただ、確かに甲斐さんがおっしゃった通り、野に咲く白い清楚な花というより
艶やかさの中に、ちょっと小昏い感じのする花って印象で(…って、これ褒めてます!(笑))
「大正ロマン」みたいなというか、昔のサーカス団っぽいというか
少し不健全な影の部分が蠱惑的で心惹かれますねぇ(笑)
押尾さんとのコラボや「かりそめのスウィングツアー」でのジャズセット
去年のビルボードツアーで演奏されたものとも、また一味違っていたのは
「ジンタ」を彷彿させるアコーディオンの音色と
やはりナンと言っても、甲斐さんの声に女性の声が絡むことで
この曲の「艶」が強調されたからじゃないかと…?
でも、映像的には、チャラン・ポ・ランタンのお二人が
甲斐さんとアイコンタクトを取ろうとなさっているのに
甲斐さんは、お二人の方へ近づいては行かれるものの、視線を合わせようとはなさらず(笑)
…っていうか、スッとあらぬ方をご覧になったりしていて(笑)
「相変わらずシャイだよねぇ(笑)」と奥さん(笑)
まあ、甲斐さんのそういうトコが好きみたいだけど…(笑)
収録終了後「甲斐バンドとの初共演について」とのクレジットが出て…
「演奏するね、楽曲を頂いて『あっ!もうこれは、我々のことをよく知ってらっしゃる感じがするな』と…
ナンか、ホントに、ウチらのアコーディオンと歌に、すごい(合ってる)、ね?
すごいマッチする曲だったんで『喜んで!』っていう感じでした」と小春さん
クレジットが「甲斐よしひろの魅力」に変わり
ももさんは「私は、やっぱりボーカリストとしてというか、歌声が本当にステキで
やっぱり一緒に…リハーサルの時もそうでしたけど、歌ってても、ちょっとウットリしちゃう…
惹き込まれる思いで、魅力的だなと思いました」と、おっしゃっていて
甲斐さんの声は、聴き手の方の世代に関係なく、威力を発揮するみたいです(笑)
「収録現場レポート」のインタビューで…
小春さんが「私たちは、レコーディングで甲斐さんのスタジオを時々お借りしてんですが
甲斐さんとは直接お会いしたことがなかったんです
でも、甲斐さんがチャラン・ポ・ランタンのことを知っていてくれて
『一緒にやりたい』って言ってくれているという噂話を聞きまして…
(『えっ!?本当に我々ですか?チャラン・ポ・ランタンで合ってます?…みたいな感じで…』とももさん)
なので、今日、お話を頂いて『もちろん、やらせて下さい!』とお返事しました
そうしたら『一緒にやろ!』って『かりそめのスウィング』の音源が送られて来て
聴いてみたら『これはバッチリ、アコーディオンと合いそうだ』っていうか
『元からアコーディオン入ってたんじゃない?』くらいの曲で…
最初の打合せで、甲斐さんに『アコーディオンのキレが良いのは知ってるから』って言われて
我々の曲を事前に聴いてくれている感がすごくあった
リハーサルの時も『ここで入って、ここで抜ける』みたいな指定がザックリあるくらいで
何も言われなかったから、自分が思ったように弾いたら『イイね!』って…(笑)
コーラスも『これでどうかな?』と思って作ったヤツが、そのまま使って貰えたっていう…
だから、私たちが『かりそめのスウィング』を
最初に聴いた時に思ったことが、そのまま出ている感じです
(『だから、全体的にのびのびやれました』とももさん)
ファンに人気がある曲を、私たちとやりたいと言ってくれたことが嬉しかったです」
…と、今回のコラボに至る経緯を明かされたあと
ももさんが「嬉しかったね!『そこに女性ボーカルが入るのも、すごくイイよな』って…
デュエットというか、ハモっちゃって、すごいドキドキしちゃった(笑)
(『自分たちの声なのにね(笑)』と小春さん)
私、デュエットする時に、相手の目をすごく見ちゃうクセがあって…
でも、甲斐さん、本番で歌ってる時、目を合わせてくれなかったよね(笑)」とおっしゃると
小春さんも「私も、ニヤニヤしながら甲斐さんのこと、何度も見てたんだけど
ただニヤニヤしてる女が両サイドにいる、みたいな絵面になってる気がしてて…(笑)」
…って、ある意味「そうとも言える」仕上がりでしたけど(失礼!)
「でも、楽しかった!あっという間に終わっちゃって…
もし『かりそめのスウィング』を再録する際は
是非チャラン・ポ・ランタンを呼んで下さい」とコメントなさってました
もっとも、ベストアルバム「かりそめのスウィング」で、ジャジーに再録されたばかりですし
このコラボは、当分の間、レア物になるんじゃないかと…?(笑)