玄関脇の池を復活してみた。
十一年前亡くなった父が、元気なうちにと水を抜いて以来だから多分十四、五年ぶり。幸い水漏れはなかった。父はたくさんの金魚を放していたが、今回はメダカ。したがって影も形も見えない。
父が死ぬ前私に向かって言った最後の言葉は「無理するなよ」だった。県議選で負けた直後のことだ。あれ以来自分なりにこつこつとやってきたが、また「負け」に遭遇した。今回はそんなに深傷ではないけれど、小さな傷も疼くは疼く。
父よ、あなたの真似をして庭の手入れを少しずつしていくつもりだ。
無理せずに。ゆっくりと。歳をとろう。
父愛し金魚の池の底閑か