中心市街地活性化について
※報告書のうち、アウトラインだけ示します。
■国が進めた地方都市の中心市街地活性化は、ほぼすべて達成し得なかった。計画61市中達成はわずか2市。上越市は…未達成。
■居住人口も、小売販売額も、歩行者通行量も、すべて目標達成できなかったところが大半である。上越市も…そう。
居住人口…目標7290名、実態6947人
歩行者増加量…目標10000人、実態7765人
※小売販売額は平成19年度以降商業統計調査なく不明
■「民間の活力をもって活性化を」という掛け声は、ちょうど計画期間と重なった厳しい経済状況下、土台無理な設定であった。上越市では、直江津地区が民間の取り組みが少ないという理由で、結局計画自体が認可されなかった。
■中心市街地個店の努力を、というが、個店ができることにはおのずと限界がある。が、己を磨かない個店は存在価値がないのもまた確かである。いま本町に「おもてなしのこころ」がどれだけあるか…。
■たとえばイベント濫造というかたちであらわれる「ハードからソフトへ」という一見もっともな流れは、根本的なインフラ整備の「試合放棄」に近い。
■これからも「中心市街地の活性化」を図るならば、その地域の居住人口の増、居住者に便利なまちづくりという地道な努力をすべきである。
■そしてその先に「商業地であり続けたいのか、居住地として生き残るのか」というアイデンティティを問う局面がくる覚悟をすべきである。
■一部の地域を中心市街地として活性化を図る時代であるか、すでに衰退の一途にある他の商業地の活性化をも総体的に問い直すべきなのか、判断する時期が来ている。
*****************************************************
(付録)
さる11月、中心市街地活性化対策特別委員会が、藤枝市、浜松市で視察をおこないました。
その報告です。
箇条書きで分かりづらい点、お許しください。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
視察事項
25年11月19日(火)●静岡県藤枝市;㈱まちづくり藤枝の取り組みについて
・取り組みの概要・活性化事業・事業推進での行政、地域との連携
25年11月20日(水)●静岡県浜松市;中心市街地活性化基本計画について
・基本計画の概要・空き店舗対策
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
●静岡県藤枝市;㈱まちづくり藤枝の取り組みについて
□藤枝市;14万2千人/194㎢/商圏人口 約48万人/老年人口比率 23.8%
※東海道宿場町 サッカーと蔵元、スイーツ、お茶のまち
□きわめて稀な「中心市街地活性化基本計画」成功例のまち ※全国61市中2市のみ
□㈱まちづくり藤枝は自分たちを「持続可能なエリアマネージメント」の中核と位置づけ、強力なエンジン役を果たしている。 ※地道で、精力的な運営姿勢が印象に残る
□藤枝市の「中心市街地活性化基本計画」の特徴は
、
1.民間事業率の高さ 約8割
※市は、公園整備、駅前図書館等複合施設、自主運行バスの運営など
2.収益があった ※約8億円 学校の耐震化予算に使った
3.大型郊外店進出を阻んできた。 ※現在1万㎡未満は認可
4.居住人口が「10年間に2千人増」という効果
※民間のマンション建設が主な柱であった故
□第2期中心市街地活性化基本計画に着手
※上越市は第1期で終了
※平成25年~30年
1.「藤枝の核」からより広域の「志田榛原(しだはいばら)の核」へ
2.1次で取り残した北側旧駅前地区の開発へ
3.民間の活動の核となる「コミュニティスペース」を確保
若年層も意識したスタッフ年齢構成を図っている
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
●静岡県浜松市;中心市街地活性化基本計画について
□浜松市;80万人/486㎢/老年人口比率 22.6%
※「やらまいか精神」 楽器のまち 自動車のまち ゆるキャラ「家康くん」
□浜松市の「中心市街地活性化基本計画」は、平成18年~23年完了。
1.中心市街地活性化基本計画進捗率 82.76% (48/58)
2.主要事業である大型商業施設の建設を断念、回遊機能が不十分に
3.主目的達成状況…小売販売額 917億円/1700億円
歩行者通行量 81000人/142500人
4.ビジネス面では、
「創造都市業務機能」就業人口44288人/41318人と、健闘。
※昼はビジネス街商業地としては寂しい、
一方夜は飲食店振興で夜は賑やかなまちに
□空き家対策
※画期的な解決に至っていない
※都市商業チャレンジャー支援事業
※小売り事業を始める事業者に初期投資費用の一部を助成
すでに終了…実際上家賃補助、なぜこの地区だけがという意見
助成金が切れたときの閉店問題も発生
□「浜松まちなかにぎわい協議会」63団体で構成されている。そこの取り組み姿勢には、藤枝同様、意気込みが感じられる。さて、上越の商店街はどうなのか…
全体で戦略を練らないと、いかに80万都市といえども、寂れていくだけである。