格闘技の世界に入って18年目を迎えます。
師匠はひとりだけ、松田利彦さんです。
松田さんはキックボクシングで日本チャンピオン、ボクシングに転向してもIBF日本チャンピオンになり世界タイトルマッチも戦っている方です。今でもお会いすると「はい」と「いいえ」しか言えません。
その松田さんですが、聞いても教えてくれないんです。
イソ「ひざ蹴りってどうやれば良いんですか?」
師匠「ひざを思いっきりぶつけるんだよっ!」
イソ「押忍っ」
イソ「左フックが力が入らないんですが・・・」
師匠「思いっきり殴るんだよ!」
イソ「押忍っ」
こんな感じです(泣)
だからひたすら師匠や先輩の練習や試合を見ていました。
それが練習の半分位を占めていたかもしれません。
その後、僕も格闘技を教えるようになって思うんですが、今は松田さんの気持ちがよ~く分かります。
今のジムって何でも手取り足取りものすごく丁寧に教えますよね。
だけど技術で勝負する世界ってのはやっぱり模範解答をもらってやるようじゃ駄目なんです。
ひとつの技を覚えるのに師匠や先輩の技術を見て学んで、何度も何度も反復しやっと自分の型になる。そんな地味な作業の積み重ねなんです。
そもそも「学ぶ」とは「真似ぶ」から派生した言葉だそうです。
だから僕は例えば首相撲と膝蹴りなら誰にも負けなかった。
他には何もなかったけれど・・・
ひとつの技を丹念に磨いていく。
そうやって自分の必殺技になっていくんです。
やっぱり試合で追い込まれた時に最後に頼るのは自分の得意技ですから。
それって世界レベルの選手でもせいぜいひとつか二つでしょう?
器用貧乏に何でもこなせる選手は逆に頼るものが無いんです。
うちの選手でいうとsouji niihoriの腕十字は良いと思います。
その他の技はまだまだ目を覆うばかりですが・・・
「不器用だからって弱いとは限らない、器用だからって強いとは認めない!」(詠み人知らず)