英検1級を圧倒したこの一冊【25】米国製エリートは本当にすごいのか? | ひとときのときのひと

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だいたい毎日。



まずは英語から。

 ここでは、英検1級1発合格術にこだわらず「ためになる英語」学習に関して、役立つ本、手に入りやすい本を案内していきます。

 

 紹介するのは

 「米国製エリートは本当にすごいのか?」(佐々木紀彦)です。

 

 著者は1979年生まれで慶応大学総合政策学部を卒業した後にスタンフォード大学院で修士号(国際政治経済専攻)を取得。その後、東洋経済オンラインやNews pickで編集長でいた人です。

 

 本ブログ筆者は、米国留学や駐在経験もありませんので、本著者によるスタンフォード在学時のエピソード、特に同年代の学生たちとの悪戦苦闘に満ちた論戦の経験には、改めて目を見張らされました。

 

 一見するとエリート大学の学生なので、皆、視野が広く、たとえば日本への原爆投下に関しても、結構見識が高いかと言えばそうではないらしい。というのも、彼らにとって重要なのはいかにいい成績を取り、米国内での順位や地位向上することなので、それに直接関係しないことは、二の次三の次だというのです。

 

 しかし、最も本書でうなづかされたのは、きわめて素朴であたりまえの英語独習術でした。

 

 それは、留学でも駐在でもオンライン英会話でもありませんでした。

 

 引用してみます。

 

 「では、英語力を磨く上で、留学はどの程度役に立つのでしょうか。結論からいえば、たった二年間だけでは、世界のインテリと侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論をする英語力は身に付きません。

 私自身、留学性格を通じて、自らの英語力の低さを嫌というほど思い知らされました。(龍略)

 

  まず、この著者が決して語学の才に恵まれてわけではないことがわかります。

 

 その後、英語を磨くポイントとして①リズムをつかむ能力や➁単語のつながりをつかむ能力(リンキング)を挙げた後に著者はこう述べています。引用します。

 

 最後に、英語の総合力を高める上で一番効率がよいのは、暗記と音読です。

 

 いかがでしょうか。

 

 なんだ、結局そこにいくのか、とお思いの読者も少なくないと想像します。しかし、著者はこんなフォローも付けています。引用します。

 

 しかしながら、暗記は退屈です。「中学時代の教科書を暗記せよ」という意見もありますが、いい年をしてそんなことやってられません。(中略)

 

 では、どうすればいいのでしょうか。自分の興味のある分野の対談や講演、ニュースを聞けばいいのです。そして、大事なところ、うまい言い回しを記録し、それをひたすら暗記するのです。

 

 いかがでしょうか。

 

 さて、ここから本ブログ筆者のアドバイスをしたいと思います。

 

 英検1級の面接対策で苦労される方は少なくないでしょう。それは、いろいろなお題についてスピーチ2分、加えて面接委員との対話もしなければならないからです。

 

 それも本ブログ筆者の経験上、暗記や音読の訓練なしには壁を乗り越えらないと言わざるをえません。そして、おそらくここで躓いてしまう方の問題点は、むしろ暗記音読に不向きとかやる気がしないというところではなく、題材そのものに興味が薄いからだと推測しています。

 

 つまり、暗記音読が好き嫌いよりも、テーマそのものがやれ死刑肯定否定、グローバリズム肯定否定といった自分が普段あまり考えていない、「どっちでもいい」態度、そこにこそあるのです。

 

 いいかえれば、日本語でまずそういったテーマに十分考えたり人に説明したり、論議したりができないと、うまくいかないのです。

 

 興味ある方は、こちらもぜひお読みください。

 

 

 以上、英語の参考書には載っていないかもしれませんが、あなたの英語学習の参考になれば幸いに思います。

 

 

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