2024年2月に、沖縄の久米島にビールを飲みに行った旅の記録です。(これまでの記事→その1その2その3

前回までは久米島初のビール醸造所「Brewery Tumugi」に関するレポートをお送りしました。今回はいよいよ、久米島のもう一つのビールスポットくめじまーるCafé」を訪れます!

 

いざ、くめじまーるCaféへ!

今回僕が泊っている「民宿久米島別館」から、目的地の「くめじまーるCafé」は、島のちょうど反対側にあります。

レンタカーなら20分程度で行けるけど、現地で飲めないのは残念すぎる。

かといって徒歩で往復するには(頑張ればいけるけど)ちょっとつらい距離です。

 

…といったことを昨夜Brewery Tumugiで飲みながら呟いたら、くめじまーるCaféの中原社長自ら車で迎えに来てくださることに!
なんとありがたいことでしょう!今日も思う存分飲むぞ~~!

 

「せっかくだから島内一周しませんか?」との夢のようなお誘いもいただき、久米島の色んな場所をドライブしながらご案内いただきました。

 

このドライブの記録だけでもブログ3回分くらいの撮れ高があるのですが、今回の旅は書きたいことが多すぎるので一言だけ。久米島の一周ドライブは最高に気持ちいい!!観光地すぎないのんびりした空気感と、開放的な南国感がたまりません!


そして本命の目的地「くめじまーるCafé」に到着!

ドライブのおかげで心と体が仕上がりました!ビールを飲みたい!


 

 

ビール以外も魅力満載!

くめじまーるCaféは「久米島海洋深層水 ふれあい館」という施設をリニューアルして2021年にオープンしました。入口の横には海洋深層水に触れる蛇口があります。

 

実は久米島は、海洋深層水の取水量で日本全国断トツ1位を誇っています。

※くめじまーるCafé店内の掲示物より

 

その取水ピットがすぐそばにあるので、蛇口を捻れば海洋深層水に触れ放題!

水深612mの深海から汲み上げた水は冷たくて気持ちいいです!

 

店内は広々とゆったりしており、くつろぎのカフェタイムを楽しめます。

お土産コーナーには、海洋深層水を活用した特産品(※)を中心に選りすぐりのものが揃っています。

海洋深層水は驚くほど活用の幅が広いので、詳しくは次回記事でご紹介します。

 

フード、スイーツ、ドリンクメニューが豊富で、どれもお洒落!

ビールファンに限らず、どなたにもおすすめできるお店です!

 

 

海洋深層水仕込みのオリジナルビール!

そしてもちろん、ビールも飲めます!

久米島の海洋深層水で仕込んだオリジナルビール「KUMEJIMA 612」シリーズです。

※写真提供:くめじまーる

 

見てくださいこの輝きと神泡を!絶対美味しい!

 

こちらは「THE BOTTOM」という銘柄です。(ビアスタイル:IPA

海洋深層水由来の超硬水(硬度1,000)を使用することにより、IPA特有のフルーティな香りと苦みを持ちながらも、シャープでクリアな味わいを両立させたビールです。

一般的に、軟水はピルスナーのような淡色系ビールに向き、硬水はガツンとした味わいの濃色系ビールに向くと言われています。このIPAは、麦芽とホップをたくさん使ったリッチな味わいでありながら、硬水の味や成分のおかげかキリっと飲みやすく仕上がっています。めちゃくちゃ美味しい!

 

そして!

KUMEJIMA 612といえば「RED & BLUE」です。

別名「青すぎるビール」!!!

 

海に潜った時に見える静かで深い青色を再現。

奇抜な見た目ですが、麦芽100%の伝統的ドイツビールをベースとした硬派な味わいのビールです。こちらも海洋深層水効果なのか、コクがしっかりしつつもスッキリと飲みやすく仕上がっています。

それにしても青すぎるww

こんなに青いものを身体に取り入れて大丈夫なの?と心配になった方は、このブログを必ず最後までお読みください。

飲んでも問題ないどころか、むしろ健康のために飲みたいと思うはずです!

 

青色の正体は〇〇〇〇だった!

青色の正体に迫るべく、隣接するビニールハウスに連れて行ってもらいました。

 

内部は僕の知ってるビニールハウスとはだいぶ違います。

この装置はいったい!?

 

これは「スピルリナ」という微細藻類を栽培するプラントだそうです。

ガラス製のパイプの中で、塩分濃度を薄めた海洋深層水を循環させ、微細藻類を育てています。(緑色に見えるのはたくさんの藻です)

 
海洋深層水は、栄養豊富でありながら、雑菌が少なく清潔という特性があるため、藻が元気よく育つそう。また、冷たさを活かして、真夏にはパイプの冷却にも活用しているそうです。

 
十分に藻が育ったら、こちらの装置に流し込んで収穫します。一見するとただの金属ですが、非常に細かいメッシュ(後ろが透けるくらい)になっており、水を除いて藻だけを収穫することができる優れものです。

 

収穫の様子を写真資料で見せてもらいました。

このような深緑のペーストとして収穫できるそうです。

 

これをすり潰すと、不思議なことに鮮やかな青色の粉末が抽出できます。

これが青すぎるビールの正体、「スピルリナ色素」です。

 

自然由来のもので、こんなにも鮮やかな青色が作り出せるなんて感動です。

 

青い色素ですが、たくさん入れて濃くすると、光の加減で赤く見える現象が起きるそうです。これが「RED & BLUE」の名の由来です。神秘的ですね!


 

 

「青すぎるビール」の先に見据える未来

ご紹介が遅れましたが、上の写真の部屋は(株)ロート・F・沖縄という、ロート製薬の関係会社の事業所です。くめじまーるCaféも、藻の栽培プラントも、(株)ロート・F・沖縄が運営しています。中原さんはその社長さんなのです。

 

部屋の中は秘密の研究室感が満載!

 

中原さんは、植物の光合成に関する研究で博士号を取った研究者です。

研究を通して「光合成のメカニズムは人知を超えた完成度であるということを感じた」という中原さんは、基礎研究に飽き足らず、実践的な「農業、畜産、ワインの醸造、ログハウスづくり、宮大工、自給自足の家族を回る放浪生活・・と色々試してみた」という異色の経歴の持ち主。

その後、バイオベンチャーを経て、現在は(株)ロート・F・沖縄で、海洋深層水と微細藻類を活用した循環型事業モデルの構築に取り組んでいます。

 

「青すぎるビール」は、久米島の海洋深層水と微細藻類の可能性を多くの人に知ってもらうために企画したそう。その狙い通り、久米島内はもちろん、各地のビールイベントでも「青すぎるビール」は話題沸騰で大人気です。正直に告白すると最初は「飲んで大丈夫?」と不安になるレベルの青の濃さでしたが、光合成の専門家がプロデュースし、天下のロートが販売しているビールですから安心して飲めますね!(何度も言いますが、味は硬派でとても美味しいビールです!)

 

スピルリナ色素は良質なたんぱく質で栄養豊富だから身体にいいんです。植物の生育にもいいんですよ~」といいながら、観葉植物に青い水を与える中原さん。マッドサイエンティスト感があります。笑

 

確かな研究と多様な経験から繰り出される中原さんのお話はとっても面白い!

日曜なのに見学やドライブにお付き合いいただき本当にありがとうございました!

 

さて次回は「海洋深層水」についてもっと深掘りします。

くめじまーるCaféに隣接するこちらの謎施設の秘密にも迫ります!

 

知れば知るほど面白い、久米島の海洋深層水!

どうぞお楽しみに!(→その5へ)

 

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