2024年2月に、沖縄の久米島にビールを飲みに行った旅の記録です。
前回の記事では、久米島初のブルワリー「Brewery Tumugi」で楽しく乾杯しました!

離島ビールは飲みに行くだけで十分楽しいけれど、その島について知るほどに楽しくなります。そこで今回は、Brewery Tumugiのビールをもっと楽しむための周辺知識を「文化」と「水」という切り口からご紹介したいと思います。

 

国指定史跡「具志川城跡」

Brewery Tumugiで飲みまくった翌朝。
暑くもなく、寒くもなく、花粉もなく、最高の散策日和です!
(実は2月って久米島のベストシーズンなのでは?)

 

さて、いま来ている場所は国指定史跡「具志川城跡」です。

海沿いの高台に造られているので、とっても景色がよくて気持ちいい場所です。

 

中国と琉球の間には古くから船が行き交っており、その途中の久米島は中継地として重要な役割の島だったそう。こうした城跡(グスク跡)が島内に複数存在し、当時(14~15世紀)の中国の陶磁器や古銭が出土していることから、交易が盛んだったことがうかがえます。

※撮影場所:久米島博物館


 

伝統工芸「久米島紬」

昔から久米島が文化的に発達していた証拠の一つが「久米島紬」です。

その歴史や製法は、島内の展示資料館(ユイマール館)で詳しく学ぶことができます。

 

交易の要衝だった久米島には、中国から養蚕産業も伝えられました。蚕繭から生糸を取り出し、撚って丈夫な糸に仕上げ、その糸で作る絹織物(紬)も発達していきました。

 

糸の染色は、久米島に自生する植物や泥といった自然素材で行います。昨日(→前回記事)、Brewery Tumugiで教えてもらった「月桃」を使って染めると、落ち着いたピンク系の糸ができるみたいです。面白い~!

 

そのように手作業で作った糸を、これまた手作業で織っていくことで、美しい着物が出来上がります。この模様(絣模様)もプリントじゃなくすべて手織りですからね。ものすごい技術と労力の賜物です。

 

久米島紬の特徴的な絣模様。このデザイン、どこかで見覚えがあるな~?

 

Brewery Tumugiのロゴは、この絣模様がモチーフになっていたのです!

久米島紬の織り子を経験したこともあるBrewery Tumugiのオーナーブルワーの島袋 陽子さんは、「心を込めて織りあげられた久米島紬のように、丁寧で、人と人の縁を紡ぐビールを作りたい。」という想いを込めて、このロゴと屋号に決めたそうです。

 

 

久米島の豊かな水資源

場所は変わりまして、こちらは島内を流れる白瀬川の河口付近の景色です。

 

久米島は、その面積の割に、立派な河川が何本も流れています。

こんなに川が豊富な離島は珍しいと思います。

※ちなみにこの日は、雨不足のため節水を呼び掛ける町内アナウンスが流れていました。それでもこの水量なのですから、普段から相当水に恵まれた島といえるでしょう。

 

久米島といえば海の美しさが有名ですが、陸の豊かさもすごいです。島の中央部の森の中には渓流や湿地が広がり、生物多様性の宝庫となっています。

※撮影場所:久米島博物館

 

そんな久米島では良質な湧水が採れるので、ミネラルウォーターの生産も盛んです。写真は帰りの久米島空港で買ったボトルですが、超軟水で飲みやすく美味しいお水でした!

 

ちなみに久米島の地質は5種類もあるそう。なので同じ島でも、地域ごとに異なる水質の湧水が採れるそうですが、総じてどれも美味しい水みたいです。

 

Brewery Tumugiのビールが美味しいのは、久米島の水が美味しいから、という理由もあるかもしれませんね!

 

 

泡盛酒造所「米島酒造」

水が良いと美味しくなるのはビールだけではありません。
久米島のお酒といえば泡盛が有名です。島内に2軒の酒造所があります。

今回は米島酒造さんを見学を受け入れていただきました。

 

ビール以外の製造工程を見学するのは今回が初めて!
非常に勉強になりました。丁寧な酒造りの姿勢にも感銘を受けました。
お忙しい中、見学を受け入れてくださりありがとうございました。

 

米島酒造の泡盛は、ほとんどが島内で消費され、島外にはほとんど流通しないそうなので、久米島に来たらお土産に買って帰りましょう!

 

 

久米島の川や海を守るための課題

久米島の水関連で、最後にもう一つ、ご紹介したい場所があります。

久米島ホタル館」です。

 

久米島には、固有種である「クメジマボタル」が生息しています。

その生態や、それを支える自然環境について学べる施設です。

 

水の豊かな久米島ですが、大雨が降ると畑から赤土が流出して川に流れ込み、クメジマボタルの生息環境に大きな影響を与えているそうです。

 

施設周辺のこちらのビオトープは、毎年、流出してきた赤土で埋まってしまい、その都度、ボランティアや地域の子供たちの手で赤土を除去し、再生を繰り返しているのだとか。

 

これは別の場所で僕が撮影した写真ですが、たしかに大雨が降ったら簡単に赤土が流出してしまいそうですね…。

 

久米島の豊かな川と美しい海を守るためには、赤土の流出対策が重要な課題であることを学びました。

※久米島ホタル館で入手したパンフレットより

 

以上、簡単ではございますが、今回のビール旅で僕が学んだ久米島の「文化」と「水」についてでした。

 

次回はいよいよ、久米島のもう一つのビールスポット「くめじまーるCafé」を訪れます。こちらも美味しい&面白いですよ~!ご期待ください!(→その4へ)

 

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