ごまかしと言っても帳尻をあわせるだけで、ごまかすほどのお金も持っていないのですが(笑)
この前日本に帰った時に、大学時代の先輩方二人と後輩二人で飲んだ。新潟の居酒屋でいろんなコップ酒があって美味かった。 色々話したのだがみやけ先輩という強烈な個性を持った先輩が「寺の仕事の半分は経理だよね~」と言うので、破天荒な先輩と思っていたけど、そんなことを言うのだと以外に思って聞いていた。
ある善良な心をもった若き後輩がお寺に入った、非常に熱心に務めたけども金勘定に疎かったそうで、結局お寺から逃亡してしまったそうだ。
物入りの時お寺の寺宝、仏具を質に入れそれを取り戻すことが出来なかったのが原因らしい。
というはなしである。 彼は絶対にお金を盗んだりするような人ではない。ただ経理に疎かった。 それが原因でお寺を維持することが出来なかったのだという内容である。
酔っ払いながらそれを拝聴していたのだが、そのエピソードが一番心に刻まれている。
それで今年からマリリアの町でお寺を預かる身になったので、これはやっぱり人ごとではない、自分も家計簿をきっちりつけていこうと5月から家計簿をつけはじめた。
家計簿をつけてはじめに驚いたのは、最初に予算を決めないといけないということだった。 コンピューターの付属のnumberという表計算ソフトに最初からある家計簿を使っているのだが、その他の家計簿ソフトを見ても必ずその月にいくらあって、食費にはいくら、車代にはいくら、と月はじめに、もしくは月末かに。 とにかく予算を建てるという意味がわからなかった。
使ったぶんをつけるのはお小遣い帳で、家計簿は最初に計画を立てておく!
・・・・ 知らなかった・・・・
しかし、ここマリリアのお寺は5年余り僧侶不在で毎月このくらい収入があるとか決まっていないのである。 私が正式に赴任したのは12月27日しかし、実際に落ち着いてきたのは3月くらいからである。3月の時点で法事2件。 1月は0件2月は一件である。
そういう状態だったので予算の組みようがないのであった。ちなみに6月の予定は法事2件の予約が入っているだけである。 引っ越ししてやっと落ち着くまで車、家財道具各種手続きにかかる代金など、出費ばかりで収入はない。 5月からやっと以前の職場くらいの収入になり、つける気になったというのが正直なところで、それ以前につけていたらとてつもない大赤字である。
こういう風に家計簿をつけると、いかに自分がピンチに立たされているかが具体的にわかって、頑張らねば! という気にさせてくれる。
つけている内にわかってきたが、ようはバーチャル予算を立ててみるということなんだと思った。 この世のお金勘定はけっこうバーチャル勘定なんではないだろうか?
ともかく家計簿をつけていくと、お寺で生活することの難しさも実感として生々しく感じるのだ。これも悪くはない。
時々、お葬式はいらないかな~! とフト心につぶやく自分がいることに気づいて怖い、というか「ああ~ って」がっくりした面持ちになる。 いままで、日本でも含めて、お寺での仕事は全部給料制だったので、葬式や法事が多ければ多いほど、お勤めに悩殺されるのでいやになる。 しかし、これが歩合制に変わった途端気持ちが変わるのだから、まさに私の心は現金なものである。恥じ入るべきかもしれないが、これが偽ざる現実なのでしょう。
それでも田舎の法事のいいところはゆっくりできることだ。
半日かけてゆっくりお付き合いが出来る。 日本も含めてサンパウロでも忙しいお寺の法事は一件1時間もかけれないのである。 少々貧乏でも精神的には田舎の忙しくないお寺のほうが断然いい。
家計簿をつけていて強く思うのは、外食の高さ! そして自炊の安さである。
ここは日本とは違うかも、一人暮らしの場合日本では下手な自炊をするよりも外食かスーパーの弁当とかお惣菜セットを買うほうが安くすむが、ブラジルは食材はかなり安く、自炊をするとかなり食費を抑えることが出来る。 それに反比例して外食をすると日本より高くなるのではないだろうか? ブラジルの外食の高さは異常だと思う。
しかし、たまに友人と外食をする楽しみはまた何物にも代えがたい楽しみでもある。
自炊のメリットはいろんな食材を調理していると、お寺の婦人会のおばちゃんたちといかに美味しく作るかの話で盛り上がるという(笑) あと、食材から包丁を入れ、火を入れ、調味料を用意し、味を整え、焼いたり、煮炊きをする。 その行為自体がとても楽しく、また生きるということに直結している行為だからなのか? いろいろ学ぶことがある、調理をするという事が生きるエネルギーになっている。それは家計簿にはつけることが出来ないメリットである。 禅宗などでは調理をする中にも仏教の教えを学び感じていく精進料理の世界があるが、なにか大事な物が確かにある。
最近はお寺の庭に、ニラや、ネギ、生姜、トマトなどを植えて育てている。(これも婦人会のおばちゃんの指導のおかげ)また、近くのバストスの町のお坊さん、まつださんの指導で薬草も植えている。 調理のまた一つ前の「耕す」ということも生活に入ってきて、これは家計簿にもエコであるし、また数字以上の効能を生活にもたらしてくれている。
家計簿。 自分には性に合わないと思っていたが、このバーチャル数字から何を読み取るか?
様々な視点でこれらの数字を眺めていると実に興味深いということがわかってきた。
数字で書く自分自身の日記に近い。 しかも文字で書く日記とは別の視野を与えてくれる。
数字を通して数字が指し示す空間を読み取ったらこれは面白い小説を読むのに近いかもしれない。
一ヶ月付けただけだが、先輩の言わんとすることが少々わかったようなきがする。
ありがとうございますみやけ先輩!
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