それはまんが日本昔話の始まりの唄に出てくる龍が、頭にボンボンを持った子供を乗せて山間を飛んでいてもさして珍しくもなく、村の人も驚きはしない。
そ~んな山深い土地なんじゃ。
その村では、お葬儀のあとご飯が出る。出来合いのものを注文するのではなく、現地で採れた季節の野菜をもちより、精進料理を皆で作るんじゃ。
われわれも、お勤めの後およばれにあったのじゃ。そこで出た一品に「なんば汁」があったのじゃ。
住職 「美味いなー」
私 「うまいですね」
乳母 「この料理はお葬式のときにしか出さないのですよ」
私 「!」
わしは、根堀、葉堀このなんば汁のいわれを問うたのじゃ。
味噌汁といっても、た~くさんの大根の葉っぱが実として入っているので、刻んだ大根の葉に味噌汁がかけてあるように見えるが、一緒に炊いてあるのじゃ。
中には鷹の爪、または唐辛子ともいう、それが輪切りに刻んで入っている。それをこの地域では「なんば」というのじゃ。
もともとの大根の葉の辛さと、なんばの辛さが合わさり、とても体があったまる。
そこに甘い白味噌が合わさって、なんとも言えない甘さと辛さのハーモニーを奏でる
辛いものが苦手の私も大変美味しくいただけた。
住職は2杯平らげなさった。
わしは、他のおかずも全部食べたかったので一杯しか食べることが出来なかったのが残念じゃ。欲深いの~
昔は道も悪く、特に冬などは心底冷える。そんな中、ご同行が総出で今生のお別れの儀式を手伝ってくださる。そのご苦労に、この甘辛いなんば汁が心身を暖めてくれたことじゃろう。
ちなみに、このなんば汁は、石川郡鳥越村のなかでも、河原山だけの料理なんじゃそうな。
おしまい
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