カギヅメピンノはカクレガニ科の一種で、甲幅1cmほどの小さいかにです。ムラサキイガイやバカガイなど様々な二枚貝に寄生しています。寄生された貝は軟体部の重量が減るという被害を被るので、二枚貝のやっかいものと言えます。
写真のカギヅメピンノは、七尾湾で獲れたトリガイの中に隠れていたものです。他のトリガイに比べると痩せていたのでしょうか?困ったものです。
似た種類にオオシロピンノがいますが、歩脚先端部がかぎ状になっていることからカギヅメピンノだと判断しました。
雌雄で形態や生活史が大きく異なっていて、昔は違う種類だと考えられていたそうです。 雄は雌の2~4分の1の大きさしかなく、雄の甲らは固いのですが、雌のそれは柔らかいという特徴があります。
雌は貝に入り込むと、そのままずっと生活しますが、雄は繁殖期にだけ貝に入り込むそうです。雌のいる貝をちゃんと見つけることができるのは、フェロモンが関係しているのではという記事もありました。不思議な生態をもったかにですね。
カギヅメピンノの雌(背側)
カギヅメピンノの雌(腹側)