【FPの長期投資ブログ 2024年6月1日記】

 投資初心者向けに、投資信託の活用方法

をまとめました。


今回は、国債など債券への投資について

解説しました。


老後資金確保の参考にしてください。



  「債券不要論」について


投資の世界には「債券不要論」と言う

考え方があるようです。


投資する以上は、収益(リターン)を追求する

べきであり、「債券は効率が悪い!」

というのです。


債券不要論は一理あると思いますが、

私のブログをお読みくださる

投資初心者の方は、その読み方に

注意する必要があります。




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まず、債券のメリットとデメリットについて解説します。


 

  債券とは?


債券は、政府や企業が資金調達のために発行されます。


債券により、世の中から広くお金を集めることが出来ます。お金を貸してくれた人や企業に、政府や企業が渡すのが債券です。


このように債券は、借用証書と言って良いでしょう。なお、今はデジタル化が進み、紙の証書は発行されません。  


株式同様、債券にも、市場があります。

この市場を通じて、債券を売ったり買ったりできます。


債券を保有していると、利子が付きます。

約束した期限になると、借りたお金が

戻ってきます。

(貸したお金が、貸主に返ってくる訳です。)


債券投資の1年あたりの儲けを利回り

言います。


実際の例を参考に作ったデータ

を見てみましょう。

(2024年5月に発行された第158回の

5年日本国債のデータを参考に例を作りました。)



例、日本国債(固定5年)

額面 100円


購入単位 1万円


利子(税引き前) 0.45%


償還期間 5年


購入  99.92円


最初にある額面とは、

満期まで保有したときに受け取ることが

出来る金額です。


99.92円で発行された日本国債を買い、

満期の5年間持っていれば、額面の

100円が受け取れます。


 この例の、利回りは

次のような計算で求めます。


・1年間の利子と収益を足します。

0.45÷(100-99.92)÷5年=0.53


・その収益を買った値段で割り、100を掛けます。

0.53÷99.92×100=0.5304%


満期まで保有した場合利回りは、

0.530%となります。


100万円の場合、年間5304円儲かる

ことになります。


実際は儲けには、所得税(20.315%)が

かかります。



 

  債券不要論

 


さて、満期まで待てばお金が返ってくる債券。一部の投資家や、金融専門家からは、

評判が良くありません。


評判が良くないのは、次のような理由です。


1.リターンが低い


99.92に毎年額面の0.45%の利子が付くだけです。数日で何割も儲かることがある株式

と比べると、眠くなるようなペース

です。



2.インフレに弱い


2023年の物価上昇率(消費者物価指数の伸び率)は、2.8%でした。


上の例では、1年間の収益率は、0.53%、


収益は、昨今のインフレで吹っ飛びます。


また、5年度に返ってくる元本(100円)

の価値はインフレで目減りします。



3.海外の債券の場合、為替の変動でリターンが吹き飛ぶ可能性がある、


昨今の為替の変動は激しいものがあります。

数年前は1ドル120円〜130円だった円ドルレートは、執筆時点で157円台です。


4.NISA、新NISAでは、債券は買えない


NISAとは、投資信託や株などの儲けに、一定限度まで税金がかからなくなる制度です。2024年には、改良版の新NISAという制度も始まりました。


NISAや新NISAでは、債券を買うことができません。株や投資信託に比べると損だと言うわけです。


これだけ理由を並べると、債券が不要という意見にも頷けます。



  債券の良いところ



では、債券には投資すべきではないのでしょうか?


今度は、債券の良いところを挙げてみます。


1.元本保証


満期まで持っていれば、元本は返ってきます。特に国が発行する国債は、安全資産とよばれ、高い信頼性があります。



2.株に比べ、リスク(価格変動率)が低い


流通時に下がることもある債券ですが、一般日株ほど、激しくは値動きがありません。



3.株と逆の動きをする傾向がある


この3番目の長所は重要です。


株が上昇しているときは、債券は、人気がないので下がる傾向があります。その結果、一緒に持っていた株が大きく値下がりした場合、そのショックを和らげる効果があります。



  

債券は必要?


結局、債券は個人投資家に必要なのでしょうか?  


必要かどうかは、その人の資産状況や投資の目的、考え方によると思います。


確かに、余裕資金で高い運用益(例えば年率8%以上の収益)を目指すのであれば、債券は足を引っ張ることになります。


しかし、老後資金形成のために投資をするのであるならば、株中心のポートフォリオではリスクが高すぎます。損失が出た場合、年取ってから、それを取り戻すのは大変。


国債などの債券を入れることで、株の損失を和らげる効果があることを覚えておきましょう。




  債券に投資する投資信託が良い



債券に投資する場合、投資初心者は投資信託を活用すると良いでしょう。


その理由は、以下の通りです。


1.小口から買える


投資信託は、購入が口数単位になっています。概ね最小1万円程度から購入できます。


先ほど紹介した個人向け国債は、最低100万円からです。(額面100円、最小単位1万円)



2.分散しやすい


投資信託は、小口から買えます。ということは、少額でも様々な投資信託に投資できます。


国債に投資するのなら、数万円もあれば、様々な国の国債に投資できます。


国債に投資するのなら、日本国債と外国国債に分けて投資すると良いです。


円安がきても、円高がきても、どちらがきても大丈夫です。


生活資金、緊急用資金が円建てで準備されているなら、外国債券だけでも良いでしょう。


海外に資産を分けておけば、円安の目減り分は、外国への投資が補ってくれます。



3.細かい運用は、ファンドの専門家に任せることができます。


投資信託とは、金融の専門業者が、一般投資家から集めたお金を運用してくれる仕組みです。



以上が、債券の良い所です。


どちらか一方に偏るのではなく、

市況と自分にあった方法を選んで下さい😀



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債券不要論は、参考にとどめておきましょう。



  結論


今回のブログの要点をまとめます。


・投資初心者は、株と合せて、債券に投資したほうが良い。


・長期保有と分散投資が原則。投資信託を活用する。


・老後資金の運用は、国債の比率を上げる。


・投資経験を積み、余裕資金がある場合は、高いリターンを狙い、債券の比率は下げても良い。


  2024年5月末のマクロ世界経済


最後にマクロ経済の数値を見ます。

これと、自分の運用成績を比べます。


注目する指数は4つです。

株価は、日本は日経平均、米国はダウ平均という指数を用います。


国債は10年ものの国債利回りです。

(国債利回りとは新規発行の国債を満期である10年間持っていたら、何%儲かるか?という数値で表されます。利回りが上がれば、国債価格は反対に下がります。)


2024年5月末は、4指数は、次のような数値でした。


・米国債10年利回りは4.500% 


・日本国債10年利回りは、1.065%


・ダウ平均は38,686ドル 


・日経平均は38,487円


前月(2024年4月末)の数値と比べます。


米国債10年利回り4.683% 


日本国債10年利回りは、0.870%


ダウ平均37,815ドル 


日経平均38,405円



日本国債の価格だけが下がりました(利回りは上昇)。

あとの3つは上昇です。

特に、日本国債10年利回りは、5月には
大幅に上昇し、注目を集めました。

今回の投資ブログで、国債を取り上げました。
10年国債利回りは、日本の長期国債の代表的な指標です。

住宅ローン金利や様々な融資も、
これを基準に決められます。

今回の動きの考察は現在まとめています。


(ファイナンシャルプランナー、日本FP協会CFP認定者、介護職員向け実務者研修を修了)


 

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四角グリーンポートフォリオについて知りたい方は、

コチラ↓の記事をお読み下さい。

 

投資信託入門その4、自分にあったポートフォリオを作ってみよう

 

 


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※ここに書かれているのは、筆者の知見に基づく一般論です。例にあげている実際の金融商品の原稿作成時点のデータです。実際の投資で同様のリターンが得られることを一切保証しません。投資は、ご自身の判断に基づいて行って下さい。

 

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