投資初心者向けに、投資信託の活用方法
をまとめました。
今回は、国債など債券への投資について
解説しました。
老後資金確保の参考にしてください。
「債券不要論」について
投資の世界には「債券不要論」と言う
考え方があるようです。
投資する以上は、収益(リターン)を追求する
べきであり、「債券は効率が悪い!」
というのです。
債券不要論は一理あると思いますが、
私のブログをお読みくださる
投資初心者の方は、その読み方に
注意する必要があります。
債券とは?
債券は、政府や企業が資金調達のために発行されます。
債券により、世の中から広くお金を集めることが出来ます。お金を貸してくれた人や企業に、政府や企業が渡すのが債券です。
このように債券は、借用証書と言って良いでしょう。なお、今はデジタル化が進み、紙の証書は発行されません。
株式同様、債券にも、市場があります。
この市場を通じて、債券を売ったり買ったりできます。
債券を保有していると、利子が付きます。
約束した期限になると、借りたお金が
戻ってきます。
(貸したお金が、貸主に返ってくる訳です。)
債券投資の1年あたりの儲けを利回りと
言います。
実際の例を参考に作ったデータ
を見てみましょう。
(2024年5月に発行された第158回の
5年日本国債のデータを参考に例を作りました。)
例、日本国債(固定5年)
額面 100円
購入単位 1万円
利子(税引き前) 0.45%
償還期間 5年
購入 99.92円
最初にある額面とは、
満期まで保有したときに受け取ることが
出来る金額です。
99.92円で発行された日本国債を買い、
満期の5年間持っていれば、額面の
100円が受け取れます。
この例の、利回りは
次のような計算で求めます。
・1年間の利子と収益を足します。
0.45÷(100-99.92)÷5年=0.53
・その収益を買った値段で割り、100を掛けます。
0.53÷99.92×100=0.5304%
満期まで保有した場合利回りは、
0.530%となります。
100万円の場合、年間5304円儲かる
ことになります。
実際は儲けには、所得税(20.315%)が
かかります。
債券不要論
さて、満期まで待てばお金が返ってくる債券。一部の投資家や、金融専門家からは、
評判が良くありません。
評判が良くないのは、次のような理由です。
1.リターンが低い
99.92に毎年額面の0.45%の利子が付くだけです。数日で何割も儲かることがある株式
と比べると、眠くなるようなペース
です。
2.インフレに弱い
2023年の物価上昇率(消費者物価指数の伸び率)は、2.8%でした。
上の例では、1年間の収益率は、0.53%、
収益は、昨今のインフレで吹っ飛びます。
また、5年度に返ってくる元本(100円)
の価値はインフレで目減りします。
3.海外の債券の場合、為替の変動でリターンが吹き飛ぶ可能性がある、
昨今の為替の変動は激しいものがあります。
数年前は1ドル120円〜130円だった円ドルレートは、執筆時点で157円台です。
4.NISA、新NISAでは、債券は買えない
NISAとは、投資信託や株などの儲けに、一定限度まで税金がかからなくなる制度です。2024年には、改良版の新NISAという制度も始まりました。
NISAや新NISAでは、債券を買うことができません。株や投資信託に比べると損だと言うわけです。
これだけ理由を並べると、債券が不要という意見にも頷けます。
債券の良いところ
では、債券には投資すべきではないのでしょうか?
今度は、債券の良いところを挙げてみます。
1.元本保証
満期まで持っていれば、元本は返ってきます。特に国が発行する国債は、安全資産とよばれ、高い信頼性があります。
2.株に比べ、リスク(価格変動率)が低い
流通時に下がることもある債券ですが、一般日株ほど、激しくは値動きがありません。
3.株と逆の動きをする傾向がある
この3番目の長所は重要です。
株が上昇しているときは、債券は、人気がないので下がる傾向があります。その結果、一緒に持っていた株が大きく値下がりした場合、そのショックを和らげる効果があります。
債券は必要?
結局、債券は個人投資家に必要なのでしょうか?
必要かどうかは、その人の資産状況や投資の目的、考え方によると思います。
確かに、余裕資金で高い運用益(例えば年率8%以上の収益)を目指すのであれば、債券は足を引っ張ることになります。
しかし、老後資金形成のために投資をするのであるならば、株中心のポートフォリオではリスクが高すぎます。損失が出た場合、年取ってから、それを取り戻すのは大変。
国債などの債券を入れることで、株の損失を和らげる効果があることを覚えておきましょう。
債券に投資する投資信託が良い
債券に投資する場合、投資初心者は投資信託を活用すると良いでしょう。
その理由は、以下の通りです。
1.小口から買える
投資信託は、購入が口数単位になっています。概ね最小1万円程度から購入できます。
先ほど紹介した個人向け国債は、最低100万円からです。(額面100円、最小単位1万円)
2.分散しやすい
投資信託は、小口から買えます。ということは、少額でも様々な投資信託に投資できます。
国債に投資するのなら、数万円もあれば、様々な国の国債に投資できます。
国債に投資するのなら、日本国債と外国国債に分けて投資すると良いです。
円安がきても、円高がきても、どちらがきても大丈夫です。
生活資金、緊急用資金が円建てで準備されているなら、外国債券だけでも良いでしょう。
海外に資産を分けておけば、円安の目減り分は、外国への投資が補ってくれます。
3.細かい運用は、ファンドの専門家に任せることができます。
投資信託とは、金融の専門業者が、一般投資家から集めたお金を運用してくれる仕組みです。
以上が、債券の良い所です。
どちらか一方に偏るのではなく、
市況と自分にあった方法を選んで下さい😀
結論
今回のブログの要点をまとめます。
・投資初心者は、株と合せて、債券に投資したほうが良い。
・長期保有と分散投資が原則。投資信託を活用する。
・老後資金の運用は、国債の比率を上げる。
・投資経験を積み、余裕資金がある場合は、高いリターンを狙い、債券の比率は下げても良い。
2024年5月末のマクロ世界経済
最後にマクロ経済の数値を見ます。
これと、自分の運用成績を比べます。
注目する指数は4つです。
株価は、日本は日経平均、米国はダウ平均という指数を用います。
国債は10年ものの国債利回りです。
(国債利回りとは新規発行の国債を満期である10年間持っていたら、何%儲かるか?という数値で表されます。利回りが上がれば、国債価格は反対に下がります。)
2024年5月末は、4指数は、次のような数値でした。
・米国債10年利回りは4.500%
・日本国債10年利回りは、1.065%
・ダウ平均は38,686ドル
・日経平均は38,487円
前月(2024年4月末)の数値と比べます。
・米国債10年利回りは4.683%
・日本国債10年利回りは、0.870%
・ダウ平均は37,815ドル
・日経平均は38,405円
(ファイナンシャルプランナー、日本FP協会CFP認定者、介護職員向け実務者研修を修了)
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