投資初心者向けに、投資信託の活用方法をまとめました。今回は、外国債券の投資信託による資産運用のメリットについて説明しました。老後資金確保の参考にしてください。
はじめに
新NISAが始まりました。
これまで投資といえば日本株をイメージする人が多かったのですが、ここにきて、投資信託が個人投資家の選択肢に浮上してきています。
投資信託は、金融の専門家が個人投資家に代わって、お金を運用してくれます。株と違って、色々な投資先に分けて投資してくれます。
投資先は、外国の株、日本の株、外国の債券、日本の債券など様々です。
今人気なのは、成長性が高い外国の株に投資する投資信託でしょう。国債のような債券は、満期にお金が戻っていますが、株のように大きく成長することはありません。
「債券の投資信託なんて必要なの?」
という声もよく聞きます。
当ブログの考えは、
「債券に投資するかどうかは、その人の置かれた状況による。」
という考え方です。
順を追って説明します。
外国債券のインデックス型投資信託は、果たして必要か?
株式型と債券型の投資信託の過去1年間の
収益率を比較してみましょう。
emaxis slim 全世界株式
1年間
35%上昇
emaxis slim 先進国債券
1年間
14%上昇
上記は、同じ会社の投資信託です。1つ目は、
全世界の株式に分散投資しています。
2つ目は、先進国の債券に分散投資しています。
両方とも、過去1年間では上昇しています。が、株式型は債券型の2倍以上の利益率です。
単純に数値を比べると、
「債券の投資信託なんて要らないんじゃないの?」
という意見ももっともだと思います。
債券を投資信託ポートフォリオに入れるメリット
では、債券に投資するのは意味がないのでしょうか?
現在のように、世界的に株式市場が好調な場合は、慥かにあまり意味を感じられない人が多いのではないかと思います。
しかし株価の上昇は、ずっとは続きません。いつか下がるときがきます。
一般に株式が下落するとき、国債(国が発行する債券)は上がる傾向があります。
ですから、株式ベースの投資信託と合わせて、国債ベースの投資信託を買っておけば、下落幅が小さくなります。
この原稿を書いている2024年4月5日夕方の株価と国債を見てみましょう。株価は、日経平均指数、国債は長期金利(日本国の10年国債利回り)です。
日経平均(株価指数)
38,992.08
-781.06
価格は下落
長期国債利回り(国債指数)
0.770 %
-0.005%
価格は上昇
2番目の長期国債利回りについて説明します。
長期国債とは、日本の10年国債の事です。
国債の価格は、国債利回りで表されます。
国債利回りとは、国債を満期まで持っていたら、年率何パーセント儲かるかを表しています。
ご覧の通り、株価である日経平均が下落したのに対し、同じ日の国債利回りは0.005%下落しました。国債利回りの下落は国債価格の上昇を意味します。
この日、それまで好調だった日経平均は、781円下落しました。株を売ったお金で国債が買われたのです。
一般に、株と債券は、逆の動きをする傾向があります。この日は、たまたまその傾向が現れました。
国債や国債利回りについては、コチラの記事をお読み下さい。
債券をインデックス型投資信託のポートフォリオに入れるデメリット
株が上がるときに、債券は下がります。ということは、株の上昇の足を、債券が引っ張ることになります。
ただし過去1年をみると、共に上昇しています。
ここ数年は、世界的な金融緩和で金融資産全般の価値が上昇しています。
そんな時期は、なかなか債券の良さは感じにくいと思われます。
投資信託の債券をポートフォリオに入れるべき人
ポートフォリオという考え方があります。
複数の金融商品を組み合わせて投資することです。
結局、債券を投資信託のポートフォリオに入れる必要はあるのでしょうか?
答えは、その人の状況による、と考えます。
その人の状況とは、例えば、
年齢、収入、資産状況、性格といった要素です。
若い人(20 歳から30歳)であれば、株式ベースの投資信託のみでも可でしょう。
株式と債券で投資信託のポートフォリオを組むのなら、過半数が株式となります。
なぜなら、若いということは、リスクを取れるということです。長い人生のどこがで、株の大暴落を経験するかもしれませんが、取り返しが効くのです。
これがシニア(50歳以降)となると、リスクを取るのが、一般的に難しくなります。人生の後半で株の大暴落があれば、心身ともにこたえます。
シニアの投資戦略とは
では、シニアは株式や株式ベースの投資信託に、投資してはいけないのでしょうか?
これも、その人の状況に依ると、当ブログでは考えます。
残りの人生を幸せに暮らしていけるだけの生活資金があれば、残りは株式中心のポートフォリオでも良いでしょう。
特に、株式が好きだとか、チャレンジ精神が旺盛な性格の人は株式中心のポートフォリオが良いでしょう。
シニアで余裕資金が少ない人は、ポートフォリオの債券比率を上げます。年齢とともに上げて行っても良いでしょう。目的を老後資金づくりにしぼり、堅実に運用します。
なお、余裕資金がない人は、投資はせず、まず貯蓄の習慣をつけることが大切だと思います。
先進国債券インデックス型投資信託のまとめ
シニア、投資の予算が限られる人は、先進国債券中心で、投資信託のポートフォリオを組みましょう。
表にまとめましたので、御自身の状況に照らし合せて見て下さい。
株式ベースの投資信託が向いている人
・若い人(20-30台まで)
・チャレンジ精神がある人
・余裕資金がある人
債券ベースの投資信託が向いている人
・シニア(50代以降)
・老後資金づくりが目的の人
・堅実な性格の人
(ファイナンシャルプランナー、日本FP協会CFP認定者、介護職員向け実務者研修を修了)
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ポートフォリオについて知りたい方は、
コチラ↓の記事をお読み下さい。
投資信託入門その4、自分にあったポートフォリオを作ってみよう
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