今回で18回目となります。
テーマは、中央銀行です。
大インフレ時代となりました。世界的に金利の調節が大きな課題となっています。日本でも、マイナス金利の解除が議論されています。
日銀やアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、どのようにして金利を決めているのかを、オンライン視聴者の皆様にご説明しました。
中央銀行の役割は、
1.発券銀行・・・・通貨を発行
2.政府の銀行・・・国庫のお金の出納
3.銀行の銀行・・・市中銀行へ資金供給
の3点です。
この3つの役割を組み合わせ、経済を巡るおカネの量を調節します。
「」分かるようで分からなかった部分がはっきりした」という意見が多く、好評でした。
講座のまとめは、次の通りです。
01)中央銀行って何する所?
(司会)
さて、今日のテーマは、中央銀行って何する所?です。
日銀やFRB、ECBなど、世界各国の中央銀行の名前を報道などで耳にします。
重要な役割をしていることは想像がつくのですが、実際には何をしているのでしょうか?
↓
ハイ。
世界的なインフレとなって、改めて中央銀行が大切な役割を果たしていると思います。
中央銀行には、大きく3つの役割があると言われます。
3つの役割とは、
発券銀行、政府の銀行、銀行の銀行
です。
市中にある銀行とは違う役割を持っています。
順番に説明して参ります。
02)発券銀行とは?
(司会)
発券銀行とは、どういうことですか?
↓
発券銀行とは、その国の通貨を発行することができるということです。
日本では、日本銀行だけが、日本銀行券を発行できます。他の銀行は、日本銀行が発行した日本銀行券を流通させるのが役目です。
日本銀行以外の人が、日本銀行券を発行したら、犯罪となります。
デパートが商品券やギフト券を出していますよね。バラカードとか。あれは問題ないんでしょうか?
商品券は、日本円に換金できる訳ですから、通貨そのものではないのではないでしょうか?
そうですね。一定量以上、流通させる場合は、財務省に届け出や登録が必要になります。
03)政府の銀行とは?
(司会)
2番目の政府の銀行とは、どういうことですか?
↓
政府や銀行は、日銀に預金口座を持っています。
国の税金は、納税者が金融機関に納めますが、その金融機関を通じて、日銀の政府口座に振込まれます。
国が国民に振り込む年金なども同じような、経路を通ります。
あと、交通違反の罰金とかも、銀行を通じて、政府の銀行である中央銀行に渡ります。
市中の銀行は、日本銀行の代理店の役割を果たしています。日銀がアップルなら、銀行はアップルストアですね。
04)銀行の銀行とは?
(司会)
銀行の銀行とはどういうことでしょうか?
銀行も日銀に当座預金がありますね。
↓
ハイ。銀行間の決済は、最終的に日銀の当座預金の間で相殺されます。
日本銀行という国を介することで、安全性や信頼性がある訳です。
05)金融政策
(司会)
なるほど、日銀ネットと呼ばれるシステムですね。
日銀はこのようなシステムを使って、金融政策を実行している訳ですか?
↓
ハイ、
通貨を発行することと、市中銀行を通じて、お金の流れをコントロールします。
例えば、2016年から始まるマイナス金利政策では、日銀の当座預金に対して、各行から金利(保管料)を取るようになりました。
当座預金に入れておいたら、各行は金利を払わなければなりません。各行に資金を貸し出すよう促しています。デフレ脱却のため、金融緩和政策を進めたのです。
こうした金融政策や金利水準は、日銀の中の政策委員会という所が、金融政策決定会合という定例会議で決めています。
06)FRB
(司会)
アメリカでは、どうなっていますか?
日本は日本銀行、ヨーロッパは欧州中央銀行(ECB)ですが、アメリカはアメリカ銀行ではないですね。
↓
ハイ。
ご存知の通り、アメリカはFRB (連邦準備制度理事会)です。
FRBのBは、Bankではなく、Board
すなわち会です。
正式名称は、
Board of Governor of the Federal Reserve System
Board of Governorが理事会。
連邦準備制度が、Federal Reserve System。
Fed と略称で呼ばれることもあります。
米国の全銀行がお金を出し合って運営されます。
07)FRS
(司会)
アメリカの中央銀行は、銀行ではなく、システム何ですね。連邦準備制度という名前の。
↓
FRSは、
理事(Governor)が7名、地区連銀の総裁(President)が5名の12名から構成されます。
地区連銀とは、全米12の地域にあります。
12名の総裁のうち、5名が選出されます。
公開市場委員会(Federal Open Market Commgtee、FOMC)が、最高意思決定機関で、理事7名と総裁5名が参加します。
総裁5名以外の7名は投票権のないオブザーバーとして参加します。
President of Federal Reserve Bank(地区連銀) 12名
12名のうち5名が交代でFRBに出席、投票します。
(司会)
なぜアメリカだけ違うのですか?
↓
米国は建国以来、地域分権の伝統があります。同じ時期に始まった明治政府は、天皇を中心とする中央集権で新しい日本を建国しました。それぞれ、やり方が違います。
日銀は、全てが日本橋に集結し、他の地域は支店という位置づけです。
アメリカでは、ニューヨーク連銀、アトランタ連銀、カリフォルニア連銀など地域の代表の声が反映されます。
地域によって利上げを主張したり、利下げを主張したりと様々です。
08)金利の決め方
アメリカでは、年8回開かれるFOMC会議
で短期金利であるFFレートを決定します。
地区連銀は、FFレートに独自に、上乗せしたDiscount Rate を設定し、連銀から民間への貸出金利とします。地区連銀が個別にFRBに申請します。
日本では、日銀の政策決定会合が意思決定機関です。短期金利を決めます。短期金利は、日銀が市中銀行に貸し出す金利です。
以上
(ファイナンシャルプランナー、日本FP協会CFP認定者)
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