10年国債利回りとは、今ある国債の価格と、満期の価格の比率の事です。
10年国債利回りは、住宅ローンの固定金利など、長期金利の基準値となっています。
今日は、世界各国の国債利回りを比較し、そこからそれぞれの国にどんな未来が待っているか想像してみましょう。
ちなみに、国債利回りとは、
「もし満期までそこ国債を持っていた場合、何%儲かることになるか? 」
という数値です。国債利回りが高いほど、その国債の価格は低いということになります。
また、そもそも国債とは、国家(政府)が、おカネを借りた際に発行する借用書のことです。
国が返済を保証そているので、現金に準じた価値があるとされています。
それでは、お話しを進めます。
アメリカ、インド、日本の国債利回り
アメリカ、インド、日本の国債利回りを見てみましょう。 (2023年2月下旬のある日のデータ)
それぞれの国の30年国債と10年国債の利回りを比較します。
まず、世界経済のリーダー、アメリカの国債です。
30年国債利回り3.973%
10年国債利回り3.954%
同様に、インド国債と日本国債の利回りを並べてみました。
インドは今後成長が期待されています。
そのため、6〜7%と利回りは高めです。
つまり今の国債価格は安いということです。
日本は、10年国債利回りの誘導目標が、2022年末に0.250%から0.500%に引上げられたのは、記憶に新しいと思います。
(※その後、2023年末には、1%近くまで上昇しました。)
フラット(平ら)なイールドカーブ
3つの国に共通しているのは、国債利回りが30年と10年で、あまり差がないことです。
米国はほとんど同じです。今回の例では、その差は0.019%です。
日によっては、10年国債利回りが30年を上回ることもあります。
インドも1%程度の差しかありません。
日本は1.0%程度で、数値が低い割には少し差があります。これは、政府がゼロ金利政策を続けているためです。
ここで、イールドカーブについて考えてみましょう。
イールドカーブとは、縦軸に国債利回り、横軸に時間(国債の残期間)を取ったグラフのことです。
イールドカーブについて詳しく知りたい人は、まず下記をお読みください。
このように時間が、経ってもあまり変わらないイールドカーブをフラットなイールドカーブといいます。
フラットは、英語で「平ら」という意味です。
スティープなイールドカーブ
本来、イールドカーブは傾いた形(スティープ)になるのが普通です。
国債の元本が戻ってくるまでの期間が長いほど、途中で国債価格が暴落するリスクを抱えています。
その分リスク分が利回りに乗っていないと買ってもらえないためです。
フラット(平ら)が意味するもの
イールドカーブが平坦であるということは、スティープの逆で将来の低成長、不景気を表しています。
大切なのは、イールドカーブの30年のところが伸びていない点だと思います。
米国の30年後(2050年)の成長率の鈍化が原因だと私は思います。
最後に
まとめ
国債利回りと時間(年数)のグラフが、フラット(平ら)なのは、将来の成長率が低下する兆候と、考えられます。
長期的な要因を踏まえたうえで、自分の相場観で投資を始めましょう。
自分のペース、身の丈にあったリスクの取り方で、自分の人生を自分でプロデュースして下さい。
(ファイナンシャルプランナー、日本FP協会CFP認定者、介護職員向け実務者研修を修了)
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