第3364段 付知峡倉屋温泉「おんぽいの湯」
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和7年9月23月の彼岸の日秋晴れの空に誘はれて美濃の国は
中津川市付知町にある付知峡倉屋温泉「おんぽいの湯」へと行き
秋晴れの下、入浴を楽しみ
歌を
恵那山を 遥かに望む おんぽいの
湯にひたりても 想ふは君ぞ
と詠み、露天風呂に寛ぎけり。
因みに「おんぽいの湯」とはいささか奇妙なる名称とぞ覚えければ
その名前の由来を尋ね知り頷きけり。
その「おんぽい」とは当地の旧付知町はその昔は裏木曽と呼ばれ
木曽の銘木を伐採の後、筏に組み付知川から飛騨川、更には木曽川へと
運ぶ折に筏師達の出す掛け声が「おんぽい」にて
それにより命名とのこと。
而して、筏師達の掛け声の「おんぽい」とはどのような
意味にて具体的なるアクセントなど想像の世界に遊びけり。
結句の解釈は賢明なる読者子の想像に委ねるなり。