第3304段 うどん屋での見知らぬ者同士の会話
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和7年7月10日の
立春知立短歌会の毎月開催の
月例歌会に次の歌
「いただきます」「どうぞ」と会話 うどん屋の
背中合わせの 見知らぬ同士
を事前に提出し臨みけり。
歌の心は去る月の或る日
たまたま、入店したるうどん屋での或る場面を切り取りたる歌なり。
通常であれば、食事前の挨拶として「いただきます」「どうぞ」は
かなり一般的にて何の変哲もなき場面なり。
然れども、飲食店にて一人にて食事をする来店客の独り言の
「いただきます」を聞きたる事のありや?
そのほとんどの独り客は無言にて食べ始め
無言にて箸を置き、何人かは食事代を支払ふ段になり
はじめて食事の礼を述べその代金を支払ふのが通例とぞ覚えけり。
いと珍しき場面にてその登場人物とは勿論、その男自身のことなり。
而して、歌会での評価は この歌の心を理解していただき
まづまづの得点なれば、この歌はこれにて一件落着とす。