第3188段 新聞歌壇を その13
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和7年3月5日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』287号に
【新聞歌壇を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その13首目の作は
わが喉に 鯁あり取れず 苦しもよ
かかる悩みぞ 結句が決まらぬ
※「鯁」とは喉に刺さった魚の骨のこと。
歌人として創作時の推敲ほど楽しい時はないのであるが
時には措辞に苦しみ、悶え、悩み、足掻き、のたうち回り
決まればまだ救はれるのであるが、なほ決まらぬ時は悲惨なる状況にて
その折の心境を詠みたる作なり。