第2989段 用途不明の古代の異形石器
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年8月の中旬の或る日
刈谷市の歴史博物館にて開催中の企画展
「石器時代を生きる」を鑑賞し
歌を
この石器 用途不明の 形にて
訊ねたかりき 縄文びとに
この用途不明の石器とは刈谷市中手山貝塚にて
発見されたる仮称『異形石器』のことにて
石材は信州の霧ヶ峰付近の和田峠、星糞峠に産する
天然の硝子石にて、真言密教の仏具の独鈷の様なる形を
少し勾玉の様なる彎曲したるまさに異形の石器なり。
古代の出土品には用途不明なるもの
数多あれどその中でもこの石器は異彩を放ち
その男の頭蓋の内を痛く刺激し続けけり。