第2951段 連作【寓歌】 その7 水族館にて水族に観察される観客
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年6月5日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』285号に
【寓歌】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その7首目の作は
水族は 各も各もに 泳ぎつつ
人を観てをり 入れ替りたり
水族館とは当たり前であるが、水族を展示し
入場料を取る施設である事は今更ながら言ふまでもなき事にて
その男、或る日水族館を訪れて、逆に水族どもに
観察されゐる感覚を持ちたる折の作なり。