第2939段 連作「北海道を」 その37今はロシア領の樺太
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年6月
その男の所属する短歌の結社である「桃の会」の
発行する季刊誌の「桃の会だより」57号に
『北海道を』をと題し連作43首を発表し
評価を世に問ひけり。
その連作の第37首目は
近けれど 遠きサハリン 望み得て
海峡渡り ゆきたかりける
かっては日露戦争の後、樺太の南半分は日本の領土にて
多くの日本人も住み、昭和20年の8月の終戦の
どさくさ紛れ極めて悲惨なる逃避行にて
帰り来たる者、また逆に帰り来る事が叶はず
樺太の地に眠りたる者も多く感慨深く
海峡を望み続けけり。