第2931段 連作「北海道を」 その31国後島を近く望みて
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年五月上旬の3日
その男の所属する短歌の結社である「桃の会」の
発行する季刊誌の「桃の会だより」57号に
『北海道を』をと題し連作43首を発表し
評価を世に問ひけり。
その連作の第31首目は
海峡の 近く見ゆるは 国後島
四里あまりが 何ゆゑ航けぬ
納沙布岬より歯舞群島の一つの貝殻島までの距離は
僅か3.7㎞にて、野付半島より国後島までの距離は16㎞
その近くて遠き理由は勿論、ロシアの都合にて
憤りを強く感じつつ
今のロシアのプーチン大統領相手にては
返還交渉の進む事は全くをもって考へられず
絶望感に胸を塞ぎけり。