第2914段 連作「北海道を」 その17地球岬に立ちて
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年五月上旬の3日
その男の所属する短歌の結社である「桃の会」の
発行する季刊誌の「桃の会だより」57号に
『北海道を』をと題し連作43首を発表し
評価を世に問ひけり。
その連作の第17首目は
アイヌ語の ポロチケウェは 「親である断崖」にて
地球岬に 噴火湾見ゆ
地球岬の名前の由来はこのアイヌ語にて
俗には「地球が丸く見ゆる岬」との誤説が流布すれど
その説は明らかに誤りなり。
而して、その由来の「親である断崖」の意味することとは
謎めきたる言葉にてアイヌの古老に問ひたき
願ひを募らせつつ噴火湾と眺め続けけり。