第2862段 自称の「僕」は元服前まで
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年4月の或る日
仕事にて訪ねたる部署に担当者が不在なれば
書類をその上司に託さむとせし時
その上司の自称の呼び方に違和感を覚え
歌を
自らを 僕、僕と呼ぶ 幼さよ
大の大人の 禿の課長が
その上司歳の頃は四十代の後半にして
精神の幼児性を現してゐれば
「僕のお年はいくつにや?」と訊きたかりしを堪へ
その場を離れけり。
その男曰く「僕と称するは中学生まで」
元服を済ませし日本の男なれば
その立場により、私、わたくし、自分、俺、麻呂、わし、おいどん
予、余、朕、吾、あ、吾輩などなど多様なる表現が有るのが
日本の語彙の豊富さなれば一考を願ひたく思ひけり。