第2827段 連作『慣用句の歌』其の伍 事故にて命の別状
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年2月5日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』284号に
【慣用句の歌】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その5首目の作は
ニュースにて 事故の被害者 「命に別状
有り」を未だに 一度も聞かざる
交通事故などの災害に遭ひたる被害者が怪我を負ってゐる場合
重傷ではない場合、ほとんどが「命には別状がない」との
言葉が続き「別状あり」の用例を聞きたることがなければ
聞きてみたきものとの捻くれ、へそ曲がりの発想の
穿ちたる作なり。
似たる用例では「全然」の後に続くは否定的なる言葉にて
「全然よい」とか「全然、大丈夫です」とは本来は続かぬもの
なれど、かって大相撲のハワイ出身の小錦関が「全然いいですよ」
と言ひたるに違和感を感じたれども英語圏の出なれば
許される範疇と思ひたれど賢明なる読者子の判断は如何にや?