第2806段 連作『隠岐の島にて』其の拾捌 旅の歌を書き終ふ
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、今を去る令和4年10月30日
島根県隠岐諸島の一つの中ノ島の海士町での
第23回 隠岐後鳥羽院和歌大賞の表彰式に臨むため
隠岐諸島へと行き数日間
滞在したる折の連作を
令和6年1月14日発行の
その男の所属する「桃の会」の機関紙である
桃の会たよりの55号に
『隠岐の島にて』と題し連作18首を発表し
評価を世に問ひけり。
その拾捌首目の作は
旅終へて 旅の日の歌 筆を擱き
旅の終はりの けぢめつきけり
「旅の歌は目的地より、目的地へ行く途中を詠むべし」
と言ひたるは彼の正岡子規先生。
確かに行くことを決めてからは心の高揚感もあり
期待に胸を弾ませ想像し歌にし易さがあり。
而して、旅の終わりは帰宅ではなく
旅行詠を書き終へたる時なり。