第2749段 連作『初句切れの歌』其の拾壱 古稀過ぎぬ
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年12月5日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』283号に
【初句切れの歌】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その11首目の作は
古稀過ぎぬ よもやここまで生きるとはかくなる上は白寿を願ふ
中国の古典の一つの『後漢書』に
【隴を得て蜀を望む】あり。
その意とするところは「人足るを知らざるに苦しむ、
既に隴を平らげたるに復、蜀を望む」
つまり一つの希望が達せられると、更にその上を望み
人間の欲望にはきりがない ことを言ひたる名言に倣ひての作なり。