第2745段 連作『初句切れの歌』其の漆 続くなり
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年12月5日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』283号に
【初句切れの歌】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その7首目の作は
続くなり 線路は遠くどこまでもトンネル抜ければ黄泉の国かも
「トンネルを抜けると雪国…」はかのノーベル文学賞の
川端康成先生の代表作の一つの『雪国』の冒頭の文章である事は
世に膾炙してゐたり。
而して、多くトンネルは国境をなし
異次元への入り口のトンネルも在りや の想より
生まれ出でたる虚構性空間の作なり。
この世とあの世とは鉄路により繋がりゐるとの
形而上の存在を信じるか?信じざるかは、自由なり。