第2739段 連作『初句切れの歌』其の壱 眼を閉ぢぬ
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年12月5日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』283号に
【初句切れの歌】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その1首目の作は
眼を閉ぢぬ 開けてゐるよりよく見えるやうな気がするふるさとの山
初句切れの歌とは初句に感動の結論を述べ
二句から結句まででその具体的内容を記述する
古来より時に用ゐられたる歌の技術の一つなり。
而して、初句の後に一字空けをして連作するは初めての試みなり。
テストの評価や如何に。
歌の心は望郷の思ひ老いて切にして
具体的にはその男の故郷の北部に聳える本宮山をイメージし
生まれ出でたる作なり。