第2678段 第32回信州伊那井月俳句大会で佳作賞を受賞
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月10日
信濃の国は伊那谷にある伊那市にて開催の
第32回信州伊那井月俳句大会に
餅を食ひ井月つひの笑顔かな
を事前に投稿し俳句大会に臨みけり。
井月(せいげつ)とは江戸期の末期
越後の国は長岡の武家の出にして
戊辰戦争等の争ひに嫌気を差し
家と家族を捨て、故郷を捨て
独り伊那谷に流れ着き定職を持たず
自由気儘に俳句を嗜み明治20年2月16日に没したる
本名を井上克三といひ、俳号を井上井月と称したる俳人なり。
彼を有名にしたのは大正期の小説家である
芥川龍之介にその作品を絶賛され
その後の種田山頭火へも影響を与へ
近年は歳時記にも「井月忌」が載る人気のある俳人なり。
その男のこの句は最晩年の彼の正月の
振舞の餅をいただき食べゐる様を思ひ浮かべての作なり。
而して、この作は長野県俳人協会会長である
近藤柊雨先生の眼鏡にかなひ佳作賞をいただきけり。
めでたし。めでたし。