第2676段 百歳の寿命を望む歌
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月14日の
立春知立短歌会の毎月開催の
9月の第703回目の例歌会に次の歌
千までは あと三百回 命あらば
百歳を超ゆ 生きざらめやも
を事前に提出し臨みけり。
歌の心は4月の節目の千回の記念歌会の終了後の
抒情を詠みたる作なり。
結句の「生きざらめやも」の意は
「生きたいことだな」なれど
本心は堀達雄の小説の『風立ちぬ』の有名なる詩句の
「風立ちぬ いざ生きめやも」
作者の堀達雄の思ひは【いざ、生きてゆこう】なれども
文語の意味としては【生きれるだろうか いや生きれはしない】
となり、本心とは真逆の誤用なり。
その男の本心は【生きめやも】なれども
ネガティブなイメージを避けポジティブなる表現にて纏めたるなり。
而して歌会での評価はその微妙なる心情を理解されず
得点につながらず無念なり。