第2673段 連作『縄文を』の番外 縄文のブラキスト線
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月7日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』282号に
【縄文を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
而して15首には選ばざれども
縄文への思ひを更に
詠みたる歌は
縄文に ブラキスト線は 存在せず
遺跡経め巡り 彼らと交はる
ブラキスト線とは津軽海峡にて本州と北海道との間に引かれたる
生物分布境界線のことなり。
具体的には羆は北海道側のみに生息し
逆に月の輪熊は本州側のみに生息し
津軽海峡を隔てて生息域を分ける学問上の境界線なり。
而して、縄文人は荒波の津軽海峡を小舟にて往き来し交流し
文化面にては広き交流圏を形成してゐたのは
各遺跡から発掘される遺物の共通性がその事実を裏付けてゐるなり。