第2669段 連作『縄文を』其の拾弐 食材としての栃の実
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月7日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』282号に
【縄文を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その12首目の作は
栃の実を 初めて食べし 縄文の
人は渋さに 吐きて考ふ
栃の実は飛騨地方では語呂合はせで、
【栃】を【土地】と掛け、土地持ちになれるとの俗信により
縁起物として栃餅などにして縄文の定住の頃より
食されて来たのは間違いなく
そのままでは食することができない食材としての栃を
食材へと変へるための創意工夫の長き歴史を感じての作なり。