第2668段 連作『縄文を』其の拾壱 縄文土偶の誇張の意味
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月7日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』282号に
【縄文を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その11首目の作は
縄文の 民の祈りの 心をや
土偶の誇張に 解かむと対ふ
縄文の土偶の特徴の一つに極限まで写実性を排除し
極限まで特定の部分を誇張したるところにあり
その最たる例が青森の津軽地方のみから発掘される
遮光器土偶なり。
そもそも土偶とは何のために作られ
そのほとんどが何らかの意図を持ち
わざと毀されることに意味があり
その謎の解明に多くの研究者達が挑戦を続けてゐるのであるが
定説となる解明には未だ至らず
その男も日夜、頭蓋骨を悩ませ続けけり。