第2666段 連作『縄文を』其の玖 火炎土器の装飾
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月7日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』282号に
【縄文を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その9首目の作は
彼岸花の 燃ゆる形の 火焔土器
み祖に供へむ 食物を焚く
火焔土器の多くは実際の煮炊きに供し
煮炊きせし食材の付着物の痕跡が確認されたる土器多く
日常の炊事に使用にはその装飾は不要にて
神様または祖先の精霊への捧げ物を作るに用いしと考へるのが妥当にて
こんにち風にいへば仏前に供へる供物専用の調理器具が
火焔土器の本質とぞ覚えての作なり。