第2665段 連作『縄文を』其の捌 越後の火焔土器
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月7日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』282号に
【縄文を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その8首目の作は
縄文の 火焔土器のや 不可解に
魅せられ三度 越後旅ゆく
厳密には「火焔土器」の名を持つ土器とは一つしか存在せず
その他の多くは「火焔式土器」と呼ぶなれども
その定義には拘はず越後の国の信濃川流域の縄文遺跡より
発掘されたる火焔の装飾を持つ土器の総称として詠みたる作なり。
而して、その男 十日町の国宝の火焔式土器を中心に長岡市と
その周辺の縄文の遺跡を経巡り
かかる巨大なる装飾を施す理由の解明に挑みしが
未だ結論を得られる段階非ず今後の一層の努力を要する事に
溜息をつきつつ時間の無さを嘆きけり。