第2662段 連作『縄文を』其の伍 縄文の土偶の意味
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月7日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』282号に
【縄文を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その5首目の作は
人が人を 殺めるための 道具なき
縄文の世の 祈りの土偶
縄文の遺跡から発掘される多くの遺物の中で
魚を捕るための道具
獣を獲るための道具
これらは多くあれども
弥生時代になり発見される人が人を殺すための道具つまり武器は
日本に数万とある縄文の遺跡の何処からも発見されてはいない。
この事は縄文時代を語る上で極めて重要な事なり。
而して、土偶は実に多く発見されてゐて
何のために作られたのか?
どの様に使はれたのか?
正確なる事は判りかねれど
祈りの為に作られ、かつ 毀されたのは間違ひなく
縄文人の心の在り様を示してゐるのは間違ひなく
見入るほどに謎は深まり興味が尽きざれば
生まれたる抒情なり。