第2526段 その男の歌の師の石田圭介先生を讃へる歌 其の拾参
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年4月2日発行の
明治期の歌人である落合直文を祖とし
与謝野晶子、鉄幹夫妻により広まりたる
日本浪漫派の「桃の会」の発行するその季刊誌
『桃の会だより』52号に
『石田圭介先生を敬ふ15首』と称したる
連作を掲載発表しその評価を世に問ひけり。
その十三首目の歌は
大人といふ 言葉に相応ふ ひと他に
令和のみ代に 思ひ浮かばぬ
〈大人〉と書いて〈うし〉と読むのは〈立派なおとな〉の意の尊称なり。
江戸期なれば、本居宣長、橘曙覧などなど
明治期なれば、落合直文、相馬御風などなど
大正期なれば、芥川龍之介、吉井勇などなど
昭和期なれば、吉野秀雄、斎藤茂吉、菊池寛、梅原猛などなど
平成期なれば、山田洋次、高倉健などなど
〈うし〉の尊称に相応ふ人物の系譜とぞ覚えけり。