第2482段 水の歌 其の陸
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年3月3日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』280号に
【水を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その6首目の作は
川上ゆ 流れくるもの ありにけり
下へと流れ 見えずなりけり
その男、河川の観察も趣味の一つなれば
遠くは韓国と北朝鮮の国を隔てる大河である
イムジン河の流れを好奇心の赴くままに
観視察に行きたる日の事を思ひ出だしての作なり。
両国の歴史の流れに流した涙と血と時間が
歌の下地であり、暗喩となりて生まれたる抒情なり。