第2402段 造語の歌 其の捌
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 令和4年12月5日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』279号に
【造語の歌】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その8首目の作は
茂吉なれば 「逆白波」の 造語歌
受け容れられて 名歌と膾炙
「茂吉」とは斎藤茂吉の事にて
「逆白波」とは戦時中、軍部に協力した廉により
疎開先の山形県の現在の上山市へ疎開し冷遇期を過ごし
近くを流れる東北きっての大河である最上川の岸辺に座り
川の流れを眺め続けて
「最上川逆白波の立つまでに吹雪く夕べとなりにけるかも」
の名歌をものにしてゐる。
一般的に短歌の世界では造語を用ゐたる作品は評価されない
傾向にあれども短歌会の巨星ともいへる斎藤茂吉なれば
否定的なる歌評はほとんど聞かれず名歌と喧伝されゐる事を
詠みたる作なり。