第2297段 塩の道の馬頭観音と語りて
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和4年8月の中旬となり
この年の暑さの盛りなれば暑さを逃れ信州へと行き
糸魚川から塩尻まで続く古道の「塩の道」を歩き
歌を
未だ通らぬ 日本の道の ある限り
わが旅ごころ 抑へ難しも
塩の道はかの武田信玄と上杉謙信との戦の折
北条方の太平洋側からの塩の供給が断たれる時
「敵に塩を送る」の言葉を今に遺す
日本海側の塩を上杉謙信が武田信玄側へと送り届けたる
ルートにてその当時を想ひ道の辺の馬頭観音に
歴史を尋ね聞きけり。