第2287段 姨捨の山から善光寺平を見て
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和4年8月の上旬となり
この年の暑さの盛りなれば暑さを逃れ信州へと行き
月の名所の姨捨に行き
歌を
姨捨の 山の上より 見下ろせる
善光寺平 人の暮らせる
姨捨は古歌の
「わが心 慰めかねつ 更科や 姨捨山に 照る月を見て」
棄老伝説の若者がその老いた母を捨てた後に詠みたる作により
月の名所となり、後世 かの松尾芭蕉翁も訪れ「更科紀行」に
名句「俤や姨ひとり泣く月の友」を残したる地なり。