新編・伊勢物語 第2288段 あくがれは止まず 星原二郎第2288段 あくがれは止まず 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和4年8月の上旬となり この年の暑さの盛りなれば暑さを逃れ信州へと行き 歌を 遥かなる ものへのあくがれ この歳と なりても止まず 今日も旅ゆく 歌の心はカール・ブッセの 「山のあなたの空遠く 幸ひ住むと人のいふ ああ われひとと尋(と)めゆきて 涙さしぐみ帰り来ぬ 山のあなたのなほ遠く 幸ひ住むと人のいふ」 のいはば短歌版なり。