第2152段 日本狼の終焉の地に近く
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 令和4年3月15日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』275号に
【明日香の古代の石の物語】と題し
連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その14首目の作は
奥吉野 いまも狼 いますがに
夜しんしんと 更けて寂けし
この歌の心は明日香村を去る前夜
真夜中に目覚め浮かび上がりたる作なり。
明日香村の隣の奥吉野は日本狼の最後の生息地にて
絶滅に追い遣りたる愚挙に思ひを寄せての作なり。
而して、出来る事ならば奇跡的に今もなほ
アホウドリの如く、朱鷺の如く、コウノトリの如く
日本狼の復活を願ふなり。